北川美智子

2025 04 Mar

Premiere Vision 2026 S/S カラー

 世界中が大きな変化の時を迎えています。
 1990年以降の約30年はいろいろな言い方をされていますがその変化に対応すべく人々の生活の中であらゆる試行錯誤が続いているといっても過言ではありません。
 そんな中でファッションの役割ももの作りも思いを新たにするところが多々あります。
 エコロジー、サステイナブル、SDGsなどの言葉が浸透しし、SNSやAIがライフスタイルを豊かなものにしていますが、自然の脅威を恐れる心は変わらず、降りかかるパンデミックに脅かされることはなくならないでしょう。
 様々な脅威の中だからこそファッションが持つ大切な役割が問われています。
 それは心ある知恵を働かせることかもしれません。

 PV Paris が発表したカラーは三つのくくりとそれぞれ10色の計30色で構成されています。
 Refresh, Reset, Restoreは聞きなれた言葉であり身近なテーマでもあります。
 しかしそこに込められた思いは複雑で深いものがあり、その実現が生易しいものではないことを痛感します。

 色名と近似色でまとめたカラーをご紹介します。

シーズンの特徴
 生活の基本的なニーズと様々なエコシステムのもと、もの作りや生産は消費動向と気候変動やリソースとなるものの実態を把握する事と、かつての勢いを取り戻すための再考築のもとで行われるであろう。

「Re-fresh」  
   フレッシュなエネルギーでダイナミックに元気づけられる。
 今シーズンはテクノロジーとイノベーション(革新)により緊張が緩和される方向にある。
 夏のファンタジーは冷たい静寂、ノルディックのランドスケープなどが新鮮。

「Re-set」
 再び元気になるためには思考をリセットする必要がある。善は急げ!
 今までの経験、自然の摂理について知る事や遊び心、快楽主義が現代の厳しさの解毒剤となり、定まらない未来を考えるとっかかりとなる。
 26年夏は他人にも自分自身にも、そして環境にも豊かな日々と優しい気持ちを引き寄せる。

「Re-store」
 繕う事(修繕する)、一方でオリジナルフォーム(元の姿)を尊重し、手直しをして再び使う。
 26年夏は様々なものを復元する。
 それぞれの土台となっているものを必要に応じて適合させ、そのプロセスやリソースを再適応する
 循環、持続性、透明感が安全に暮らしていく条件となる。

 

2016 S/S カラー
 今シーズンのPVカラーは三つのテーマのディレクションを有形にしたものであり様々な表情を見ることができる。

「Re-fresh」 11~20
 穏やかで冷たさも感じる水のイメージが様々な形を作りだす。
 ガスのような霧のような、泡のような表情。
 氷のような、水分補給をするような、又はジェルのようなイメージ。
これらの氷のような、ミルクのようなオーガニック調の色が透明と半透明の間で変動し、穏やかでフレッシュな浄化を与えてくれる。

「Re-set」  21~30
 繊細でニュアンスのあるセミトーンオントーンの色調を前面に出すことにより、官能的な表現や、貪欲で肉欲的な快楽主義が引き出される。
 フレッシュなフルーツカラーを使いキャラメル調のピグメントを施したような肌の色。
 熱い色、甘すぎる色が爆発しそうな情熱を生み出す。

「Re-store」  1~10
 発芽灯のライトと素材の密度の間で色彩の対話が展開される。
 淡い色も濃色も輝きのある酸性色の光りで強調される。
 このような過去と未来の甘い交流は、新しいテクノロジーを導き、従来の伝統的なノウハウに新鮮なエネルギーを与えるであろう。

 

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