北川美智子

2018 21 Dec

アウターウエアの定点観測

 12月8日、長年続けてきたアウターウエアの定点観測にでかけました。
 場所は大阪西の宮のショッピングモール。
 阪急沿線にあるこのモールは名門百貨店をアンカーにして、生活周辺のものを幅広く扱い、子供やファミリー層を含む老若男女をターゲットにしています。
 生活意識の高い顧客が多く、楽しみながら実際の購買行動につながるという安定した経営が伺われます。
 比較的温かでよく晴れた土曜日の昼時、歳暮やクリスマスギフトの賑わいの為来店客は午後には人数を増しその混雑ぶりに驚きました。
 今年のコート事情は暖冬のため例年より鈍い動きが予想されましたが、その分温かい冬に対応したかのような軽く短いオシャレ感のあるものが出てきました。

 午後1時から20分間、ベンチに座って通り行く人のチェックをした結果は次の通りです。

・ウール系のコートやジャケット 52人
・合繊を中心にしたダウンジャケットやコート 42人
・ボア(モコモコ系) 28人
・フリース 25人
・コットン系(トレンチタイプ) 15人
・ニットのコート、ジャケット 24人
・パッチワーク 2人
・レザー(本物、フェイク)ジャンパースタイル 6人
・チェックなどの柄物 8人
・ケープ 2人
・デニム風ニット 3人
・ベスト(キルティングやニット) 7人
・ムートン系 12人

 色は全体に暗くはないがグレーやベージュのナチュラルカラーがダントツ。
 黒も塗りつぶしたような印象は全くなく、分量感やデザイン、光感などで華やかさが感じられる。
 ソフトパステル系の色が増加。
 刺繍、パッチワーク、切り替えなどで配色の楽しいものも多い。

 昨年より薄手のパーカー、ジャージー(丸編みニット)を使ったジャケットや羽織タイプが増え、ダウンコートは切り替えやフリル、ファーなどの異素材の組み合わせが新たに見られました。
 ひところ多くみられたピーコートタイプが減り、トレンチとダッフルはオーソドックスな一年中着られるコートとして、又は独特のトグルボタンの魅力のせいか健在です。
 おしゃれ着としてはモンクレーやカナダグースが存在感を示してはいますが、日常のおしゃれにはフェイクファーやボア、フリースといった新素材が目立ちました。
 ワンピースやスカートと合わせて新しいスタイリングを作っています。
 外国人の数が少ないのが寂しい気もしますが、店頭にはそのままの売れ筋が並び、背伸びしなくても買える商品というこのモールのイメージが伝わってきます。
(素材のスナップを撮らせていただいた皆様、失礼をお許しください)