北川美智子

2019 28 Jun

初夏の店頭 4 プリント

 夏はプリント!という例年の印象に少し変化が起きています。
 その理由は一年を通してプリントを楽しむようになったこと、プリント下地(ピー下)素材の範囲が広がったこと、デジタルプリントが定着し柄の大きさや配色の複雑さなどの問題が解決され親しみやすくなったことが挙げられます。
 その結果ミックス感やグラデーション、コントラストカラーなど多色を自由に組み合わせることができ、市場でも華やかさや大胆さが抵抗なく受け入れられるようになりました。
 その反動として当然なことですがオーソドックスな配色や無地やプレーンなモチーフに再び目が向けられていることも確かです。
 しかし何といってもわかりやすくインパクトのある表現にプリントは欠かすことができません。
 今年の店頭で見られる特徴的なプリントは強い個性、アーティスティック、さらに掘り下げられた自然の表現、メカニカルな観点、生態といった今までにない興味深い展開がなされています。

 モチーフには
・動物が登場して何かを語りかけてくるような動きや思考のあるもの
・リアリティー溢れる花や植物
・滲んだり、靄のようなとりとめのない柄
・無国籍な民族調
・生活の中の一つのシーンを刻んだような風景、食べ物
・アニメタッチ、ポップ調、食べ物
 などなどが見られます。
 柄の大小、透ける、光る、写実的、抽象、物語性などプリントは実に楽しくやはり夏には欠かせない効果をもたらしてくれる気がします。