武田 尚子
マッシュスタイルラボの挑戦
久しぶりに「gelato pique(ジェラートピケ)」(マッシュスタイルラボ)の展示会に伺った。
コロナ禍による新しい生活習慣のなか、「おうち時間」を見直す人が増えている影響で、ネット販売が昨対4倍も伸びているという。
今回の2020冬物は、家族など大切な人と過ごす時間に思いをはせた、あたたかなコレクションとなっていた。
クリスマスの提案を大きなテーマにしながら、PEANUTS(スヌーピー)コラボ、黒だけでまとめた「ジョエル・ロブション」のライン、温活アイテムと、多彩なラインナップ。メンズやキッズもさらに充実し、全体的に組み合わせのきくコーディネイトアイテムや、人気の動物モチーフが充実している。
「ジェラートピケ」と同じフロアで展開していたのは、和紙素材を使った「UNDERSON UNDERSON(アンダーソンアンダーソン)」。2019年秋に立ち上げたブランドで、1号店が新宿ニュウマンにある。
これは、和紙繊維のパイオニアとして知られる糸井徹さん(ITOI生活文化研究所所長)との提携によるもの(以前、イトイテキスタイル時代、「SASAWASHI(ささ和紙)」の取材でお会いした時の、和紙素材に対するパッションが忘れられない)。ITOI生活研究所は和紙繊維の特許を持ち、マッシュグループは独占パートナーシップを結んでいるという。
「肌に触れる部分は99.9%が和紙」という構造の糸を使ったもので、メンズとレディスのアンダーウエアやルームウエアを中心に展開している。
消臭、吸水、速乾、自然湿度調節と、機能性は多岐に及び、肌に敏感な人にもやさしい。染色法なども環境を配慮しているという。
ブラやショーツが3000円台と、インナーウエアは買いやすい価格設定となっている。
実際に手にしてみると、やや硬さはあるがハリのある独特の風合いで、他のどの繊維とも似ていないという印象だ。
天然素材の新しい選択肢、今後の成長が注目される。