武田 尚子

2022 13 Apr

ランジェリーも服を選ぶように

先日開催されたプラグイン(繊研新聞主催)のランジェリーエリア「ランジェリスト」は、ブランドの企画開発から販売促進までを行う(株)ノースショアが企画したもの。5年来、大阪でランジェリーの合同展示会「ブーケ」を手掛けてきた経験と実感をベースに、ファッション性の高いブランドを集めて、より多くの人に訴求する機会がほしいと考えていたという。ブランドセレクトにランジェリーブティック・イルフェリーノの元スタッフである北菜月さん、クリエイティブ・ビジュアル関係にジェミニテールの恩田綾さんの協力を得て、今回の開催に至った。

同エリアの正面を飾っていたのが、その恩田綾さんによるブランド「ジェミニテール」だ。
もともと広告の仕事をしていた恩田さんは、イルフェリーノの撮影会で北さんと出会い、自らも以前から趣味だったランジェリーのブランドを始めるようになったという。
ブランドデビューは2016年、伊勢丹新宿のポップアップスペースがお披露目場所となった。
洋服を選ぶようにランジェリーも選びたい、ランジェリーを見せながら洋服とのコーディネイトを楽しみたいというのが「ジェミニテール」のコンセプトで、その具体的な着こなし方のアイデアを会場でも積極的に紹介していた。

背中が大きくくれたシャツの背中から大胆にのぞくのは、背中のストラップが格子状に交差しているブラジャー。また型や袖をおおう透明な素材のボレロも、ブラアイテムと組み合わせたおしゃれな着こなしに便利そう。
ディテールも、下着っぽさを感じさせない繊細なストラップやメタルパーツが使われている。
フェミニンなやさしさも感じさせるブラジャーは、パデッドもワイヤーも入らないソフトなタイプだが、抵抗がある人のためにパッドが中に入れられるような仕様にしているのは日本のブランドならでは。
価格帯は、上下セットで1万5000円から2万円位が中心となっている。

同社運営のセレクトショップ「MOOL」のローンチを兼ね、4月27日から5月10日まで、渋谷パルコ3階でポップアップを開催する予定だ。

「ランジェリーも服と同じように」というのは長年の願いでありながら、なかなか一般にはそういかないのが現実ではある。
装うことの楽しさの選択肢の一つにランジェリーが存在するかどうかで、その人の人生が少しだけ深くなるような気がするのだが。