武田 尚子

2025 17 Mar

モードとの融合進める「リズ・シャルメル」

パリで毎年1月に開催される「パリ国際ランジェリー展」は、本来はその次の秋冬シーズンの製品コレクションを発表するものだが、シーズン立ち上がりの春夏物を一緒に見せている場合もある。ランジェリー業界全体として、サスティナブルやビジネスの効率化を背景に、年間着用できる継続品や定番品の比率が高まっている傾向にある。

フランスの主要ブランドの一つ、「リズ・シャルメル」では、秋冬物の発表は3月ということで、今回の同展のブースでは2025春夏シーズンのコレクションに限った展開を見せていた。フランスの陽光きらめく色彩にあふれていたのが印象的だ。
近年、高級化路線を推し進める中でも、ランジェリーの中にプレタポルテやオートクチュールの要素を取り入れ、モードとランジェリーとの融合に力を入れている。フランス・リヨンの同社アトリエには、商品デザインにかかわるデザイナーやパタンナーが総勢60人。レースをはじめ独自の素材開発にも余念がない。

南仏のブルーをテーマにしたクチュール感あふれるグループ。カレー産リバーレースの軽やかさが、刺しゅうレースのグラフィックなデザインを引き立てる(Sublime en Dentelle)

印象派モネの絵画のような美しい色合いのプリント。アウターとして楽しみながら着用できる(L’Amour au Soleil)

モダンなマリンストライプは、ココ・シャネルがドーヴィルのブティックで発表したマリニエール柄へのオマージュともいえるもの。白いレースや刺しゅうとの組み合わせが絶妙(Cap au Levant)

ブラジャーやスリップだけではなく、クチュール感あふれるレースのブラウスやドレスも


また、ブース内にはオリジナルのカフェチェアを並べたカフェのスペースを設置。これは昨年、ボンマルシェでのポップアップで提案して好評を得たもので、ブランドのフィロソフィにも通じるフランスの文化やエスプリを表したものだという。


アメリカブランドの進出が目立つ昨今のフランスおよびヨーロッパのランジェリー市場だが、フランスの伝統を全面に出した典型例として注目される。


 

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