武田 尚子

2021 15 Apr

肌への刺激が少ない肌着の開発進む

これから多湿な時季に向けては、冬の防寒とはまた違う意味で、肌着が果たす役割が大きい。
ことに最近は、乳がんの術後や敏感肌の人にとっての肌着の選択肢が広くなっていることを感じる。

グンゼでは、医師、看護師、患者の声をもとに手術後などデリケートな肌をサポートする肌着として、数年前から「メディキュア」を開発しているが、徐々に販売網も整備されつつあるようだ。連結子会社である株式会社メディカルユーアンドエイを通じて、「メディキュア」の皮膚科クリニックでの販売がスタートしている。
今回、皮膚科クリニックで販売する製品は、肌ざわりが滑らかなレーヨン混素材(レーヨン50%・綿40%・ポリウレタン10%)を使用した「低刺激インナー」「ネックカバー」「アームレッグカバー」「カップ付インナー」の4商品。皮膚科医の勧める刺激の少ない肌着を着用してもらうことで、患者の方々のセルフケアに貢献したいというものだ。

通常のインナーウエア売場で販売しているブランドについても、肌への刺激を軽減した肌着の開発が進んでおり、「Fitte(フィッテ)」からはオーガニックコットン混の完全無縫製インナーが発売された。これは、「KIREILABO」ブランドで展開していた完全無縫製インナーの綿混素材をオーガニックコットン混の素材に替えたもの。チクチク、かゆみの原因にもなる縫い目をなくした完全無縫製で、ネックラインや裾なども切りっぱなしで仕上げられている。パッド付きのタンクトップに加え、顧客の要望を受けてパッド付き2分袖インナーもラインアップされている。

 

やはり乳がんの術後など肌が敏感になっている人の支持が強く、ネットなどを中心に顧客層が広がっているのが、スマイルコットンを使った国内生産を特徴にした島崎の「フリープ」だ。人気の継続グループそれぞれに新色が追加されている。

片袋を仕様したシンプルシリーズは、肌側をすべて綿100%で刺激を極力少なくしている。前開きブラをはじめアイテムの種類も多く、カラー展開も充実している。これは新色のシトラスブルー

さらに付け加えたいことは、肌の敏感な人は女性に限らず、男性にも少なくないということ。同社では、敏感肌や着心地を重視する男性を対象に、メンズの低刺激設計インナーの商品構成も徐々に充実させており、パジャマの販売も始めている。