武田 尚子

2018 30 Jan

「ヴァニナ・ヴェスペリーニ」は単独ショー

「パリ国際ランジェリー展」会期に合わせ、会場の外でもランジェリーブランドのイベントが行われた。

同展の会期前夜、パリファッションウィークの一環として、サンジェルマン教会の目の前にあるホテルでショーを行ったのは、ランジェリーのデザイナーブランド「Vannina Vesperini(ヴァニナ・ヴェスペリーニ)」。

鮮やかなカラーバリエーションのシルクとレースづかいを特徴にしたフランスらしいブランドだ。

 

デビューから20年、デザイナーのヴァニナは家庭と両立させながら、パリを拠点に活動を続けている。単独でショーを開催するのは久しぶり。

スタートから長年二人三脚でサポートしてきたお母さんは客席でショーの様子を見守り、まだ小さい2人のお嬢さんはショーに登場して観客を沸かせた。

 

コレクションは、配色やレースが魅力的ないつものスタイルに加え、日本で補整下着と呼ばれるシェイプウエア(コルセット)が目につく。ショーのフィナーレでは、金ラメ使いの豪華なナイトドレスを身にまとったモデルたちと一緒に、ヴァニナが登場した。

 

何かいつもと様子が違うなと思っていたら、その背景にはアジアマネーの影響があることが分かった。台湾のシェイプウエア(矯正下着)メーカー、WENEE(ウイニー)とタイアップし、彼女がデザインを担当(つまりその製品も舞台に登場)。さらに、中国で卸を行う販売代理店との大きなコネクションもできたようで、上海では既に豪華なクチュールドレスのショーを開催している。

そういえば、観客席の最前列には華やかな雰囲気(手にはスマホ)のアジア系の人々がずらりと座っていた。

 

ブランド力さえあれば、どんな時代でも生き残れる――。

このショーだけでも、今のグローバルな時代の流れというものを痛感したのであった。