武田 尚子

2024 19 Sep

健闘するインポートブランド

シモーヌ・ペレ―ル、オーバドゥと、有力ブランドの日本市場撤退が続くインポートランジェリー市場だが、そのなかでも健闘しているのが「HANRO(ハンロ)」だ。ワコールが輸入卸を手がけて40年以上になるが、地道に固定客の開拓を進めている。

毎シーズン、オーストリア本社から翌年の新製品情報が届くのも早いが、8月中旬には他に先駆けて、2025春夏物の展示会がワコール麹町ビルで開催された。
「HANRO」創業140年を記念するアニバサリー年間として、2024年は特別なキャンペーンが繰り広げられたのに対し、2025年はまさに原点回帰ともいえる取り組みを見せている。ラウンジウエアやホームウエアが一段落している市場を反映し、あらためて肌着(ニットインナー)を中心とするベーシックコレクションに力を入れ、「HANRO」ならではの洗練されたラグジュアリーをアピールしている。

軸となっているのは、人気の定番アイテム「コットンシームレス」のキャミソール。2025春夏は、縁取り(サテンリボン)の配色が魅力的なネイビーブルーや、タイダイ染めなどで変化をつけて、ブランドアイコンに新鮮さを吹き込んでいる。


また、最軽量コットンのニットスリップは、旅行に便利なだけでなく、日本の過酷な夏にぴったり。涼やかなワンピースのインナーとして重宝しそう。

テンセル(リヨセル)やリネン混紡のラウンジウエアなど、ヴァカンス旅行に持っていきたい組み合わせのきくアイテムもそろっている。日本の若い富裕層にももっと目を向けてほしいブランドだ。


ワコール麹町ビルで開催された2025春夏展示会