武田 尚子
市場の二極化に対応するトリンプ
インナーアパレル2024年春夏物展示会のトリをつとめるように、今週、トリンプ・インターナショナル・ジャパンの同シーズン新製品の「お披露目会」(プレス対象の内見会)が行われた。
いつものように、本社フロア内の会場には「Triumph(トリンプ)」「AMOSTYLE(アモスタイル)」「sloggi(スロギー)」3ブランドが集結。それぞれの強みや持ち味が明確に打ち出されていた。
百貨店を中心により付加価値の高いものを求める高級志向と、価格にシビアな低価格志向という、市場の二極化が進んでいるのに対応した戦略が強化されていたのが今回の特徴といえる。
前者では、「フロラーレ・バイ・トリンプ」にリュックスラインが登場。いつ見ても美しいもの、それを身に着けることによって女性を高めてくれるものが、熟練デザイナーのクリエイティビティによって表現されていた。
エンブロイダリーレースの歴史と伝統を誇る、スイス・サンガレのメーカーに保存されたアーカイブを基にしたオリジナルレースをはじめ、付加価値の高い素材とパターン、機能性を備えた、今の時代ならではのラグジュアリーを追求した大人の女性のためのプレミアムコレクションとなっている。価格帯は、ブラジャーで(税抜き)15000円から16500円が中心。
後者の代表としてあげられるのは、「アモスタイル」の「デイリーアモスタイル」で、ブラ&ショーツのセットアップで(税込)2500円前後というプチプラが売り上げを伸ばしているという。
また、バリエーションの広がりが注目される「スロギー」ブランドでは、主力シリーズ「ゼロフィール」の進化をはじめ、ナイトブラからおうちブラへと再定義されている「スロギー・エバー・インフューズド」、洗練された素材使いやディテールが特徴の「エスバイスロギー」の新シリーズなどが目についた。
全体を通し、市場傾向を反映させ、従来のような多色づかいではなく、単色づかいのすっきりしたきれいめのデザインが増えている。