武田 尚子
出展者と来場者双方に人気のEXPOSED
年2回、パリで開催されるユーロヴェット主催の国際展示会において、展示会内展示会の形式で人気のエリアになっているのが「EXPOSED(エクスポゥズド)」。
既に4回目となる今回の「2018ユニーク・バイ・モードシティ」では、水着・ランジェリーを中心に合計42ブランドで構成され、新規出展が充実した新世代の独立系ブランドだけではなく、「アンドレ・サルダ」「メゾン・レジャビー」といった老舗ブランドの参加も目につく。
同エリアのディレクションを務めているのが、マチュー・ピネ氏。
ファッションガイドのウエブサイト、「The shape pf the season」(婦人服からアクセサリー、デザインやアートまで、扱いブランドは約300)を運営する人物で、当初はユーロヴェットからの申し入れによるものだったという。
「EXPOSED」のブランドセレクトで重視しているポイントは、①モノ(製品)、②ブランドストーリー(モノの背景にあるもの)、③イメージ(ウエブサイトに欠かせないビジュアル)。
もちろん、ファッションのエキスパートによる理屈を超えた感覚、時代を読む視点というものがフィルターになっていることはいうまでもないが、この3点がパッケージされたブランド力といったものが決め手になるというわけだ。
さらに、バイイングのモチベーションを上げるためには、通常のリアル店舗の場合と同様、ある程度、バラエティに富んだアイテム、テイスト、価格帯が程よくミックスされていることが大事と話す。
そして2時間程で各ブースを見て回るための適度なスケール感、つまり規模が大きすぎないことも大切にしている。
この9月からは、約30ブランドをひっさげて、服飾雑貨を集めた展示会「プルミエールクラス」内での出展を予定しており、グローバルなコミュニケーションの場がさらに強化される模様。さらに将来は、次の段階としてB2Cのオンラインビジネスにも挑戦したいとしている。
いずれにしても、「EXPOSED」出展者とは、展示会会期の3日間に限らないネットワークを形成していく考えで、今後の活動が注目される。