武田 尚子
「ハンロ」創業140年の記念コレクション
日本においても代表的なインポートランジェリーブランドの一つとなっている「HANRO(ハンロ)」が、1884年にスイスで創業してから、来年で140年を迎える。ラグジュアリーな肌ざわりを特長にした国際的なプレミアムブランドにふさわしく、来年2024年は年間を通し、”THE TOUCH OF LUXURY”の理念のもと、アニバーサリーコレクションを展開する。
HANRO初代デザイナー(創業者孫娘)であるマドレーヌへの敬意をあらわしたラウンジウエア。1930年代のアーカイブからインスパイアされている
その第一弾として2024春夏コレクションは、「ハンロ」の歴史を振り返り、常にその中心にいた女性に敬意をあらわすものとなっている。社会、ファッション、政治、科学、文化において先駆的な役割を果たして強い女性にちなんだ名前がつけられており、それぞれの個性とストーリー性が商品の魅力を倍増させている。
具体的にどういう女性をフォーカスしているかというと、マリリン・モンローやジョセフィン・ベーカーといった有名人から、オーストリア出身の女優・発明家であるヘディ・ラマー、さらにナイトウエア・ラウンジウエアでは、フランスの哲学者・活動家として知られるシモーヌ・ド・ボーヴォワール、ドイツのピアニスト、クララ・シューマンなどが名前を連ねている。
メンズコレクションの方は、女性を支援してきた有名な男性をテーマにしているが、日本での採用はない。
フランスのフェミニスト、シモーヌ・ド・ボーヴォワールへの敬意をあらわしたナイトウエア。オーガニックコットンの夏らしい透かし柄が繊細な透明感を演出している
アニバーサリーコレクションのデザインの源になったのは、同社の過去140年にわたるアーカイブの数々で、歴史的な作品から多くのインスピレーションを受けたとデザイナーは話している。
ヘディ・ラマーへの敬意をあらわしたグループは、HANROの頭文字Hのロゴが入ったロゴ入りのモダンな総レース
今シーズンの撮影が行われたのは、南フランスのコートダジュール。1930年代には既にハンロ創業者の2人の子供たち(チャールズA.ロナスとマドレーヌ・ハンシン)がコートダジュールに滞在し、ビーチウエアなどの商品企画を行っていたという。
時代を超えた女性の輝きや、デザインの魅力にあふれたコレクションとなっている。
ハリウッドアイコン女優、マリリン・モンローへの敬意をあらわしたコレクションは、大きな花柄のソフトレースを使用。映画「7年目の浮気」の名シーンで着用しているショーツはHANROのものだという
ワコール輸入品ブランド2024SS展示会場。右側が「HANRO」