武田 尚子

2024 01 Oct

気候変化に対応する来春「プリスティン」

生活によりそうオーガニックコットンブランドとして支持されている「プリスティン」(アバンティ)の来春展示会が、気候不順の続いた9月中旬に開催された。
2025春コレクションのテーマは、“春寒し。春暑し。”――春といっても、まさに予測のつかない激しい気候環境の中で、薄手のものを重ねたり、脱いだりと、その日の気候に合わせて組み合わせのできるアイテムを意識している。

春に順々と芽吹く植物の根っこを表現したルーツプリントシリーズは、社内のデザイナー自身が薬効性のある植物を選んで丁寧に描いたもの。
またヤク(毛)や麻(リネン)もバランスよく組み込まれ、微妙な色のバリエーションを見せている。軽く涼し気なメッシュ素材が充実しているのも目を引いた。今年、インナーウエアでヒットした細番手の強撚糸を使ったフロストコットンは、アウターにも広がりを見せている。

幅広い商品構成のなかでも、肌に直接触れるインナーウエアに対する要望は高く、定番中心にラインナップが充実している。9月上旬に社内で行った試着会(予約制)では、普段自由に試着のできないブラジャーやショーツを実際に試すことができるだけではなく、「プリスティン」の物づくりに対する考え方を奥森社長から直接伝えることができて、お客とのよいコミュニケーションの機会になったという。
今回は新しく、しっかりしたフライス素材のカップ付きタンクトップが登場。
ロングセラーを続けているテレコキャミと共に、カップ付きアイテムの定番としてリピート購買につながっていくに違いない。

新製品のフライスカップ付きタンクトップは、カジュアルな着こなしにぴったり。肌側と背中も、すべてがオーガニックコットンで作られている。

肩ひもの調節が必要な場合はテレコキャミ(写真左)を。「プリスティン」の製品はすべて土に還る生分解性の素材を使用

全体を通して、何年でも長く着用できる品質のいいものを意識し、耐久性を心掛けているという同ブランドの姿勢に共感をおぼえる。