武田 尚子

2021 11 Nov

ジャガード柄のふわふわニットインナー

外着(アウターウエア)に比べると、昔から景気に左右されにくいといわれてきた下着(インナーウエア)だが、天候不順というものはなかなか手ごわい。
寒い時期には寒くなり、暖かくなる時期には暖かくならないと動きが鈍るわけで、とくに季節の出足が肝心なのだが、今年は11月半ばになろうとしているのに妙にあたたかい。
インナーウエアの中でも、この時季の主要アイテムとなるニットインナー(防寒肌着)の売れ行きが心配になってくる。

ユニクロ「ヒートテック」の人気定着をはじめ、ナショナルブランドの各種ニットインナー類も、近年は確実に売れる定番素材を中心にした商品構成となっていて、大きな変化があるわけではないのだが、きめ細やかなマイナーチェンジや編集手法、マーケティングによって購買を促している。

どちらかという控えめなニットインナーの中で、毎年、売場の花となっているのが、ふわふわやわらかい厚手の素材でよくのびる、セーター感覚の色や柄が楽しめるタイプ。 これは日本らしい商品といえる。
これは今からもう20年以上前になるか、毛パン(毛糸のパンツのリバイバル)人気から派生して登場したタイプで、ワコール「グラッピー」では毎年柄を変えながら、秋冬シーズンの売場を彩ってきた。

今年は、トリンプ・インターナショナル・ジャパン「スロギー」のホイップタッチシリーズ(全型日本製)が大幅に拡充されているのが目につく。鮮やかなピンクなどの色や、トップス&ボトムのアイテムの広がり、さらに上下お揃いで楽しめるジャガードタイプ(“ほっと”あったかジャガードロング)では、凝った柄のバリエーションが楽しめるようになった(写真はすべて同商品の物語柄)。


服の下に着ける、服の一部としてコーディネイトするだけではなく、そのまま部屋着やナイトウエアとしても活躍しそう。
徐々に寒くなるであろうこれからの季節、クリスマスや年末年始に向けた、遊び心のあるギフトとしても最適だ。