増見哲株式会社
意外と知らないシリーズ!!第8弾 繊維の品質試験方法2~品質の確認はモノ作りの第一歩~
毎度です(*´∨`*)!
意外と知らないシリーズ!!第8弾。
前回に引き続き、繊維の品質試験方法についてご紹介致します♪
●汗堅ろう度試験●
汗で塗れた状態で長時間着用したときの色の変化(変退色)
及び色移りする程度(汚染)を調べる試験
【試験方法】
試験片を酸性及びアルカリ性の人工汗液に入れて常温で30分間浸した後、
汗試験管にセットし45Nの錘を乗せて固定します。
汗試験機にセット
↓
試料を45Nで荷重した試験機を37℃の乾燥機中に4時間入れます。
↓
4時間後、汗試験機から試験片を取り離して乾燥し、
試験片の変退色と添付白布への汚染を判定します。
●耐光堅ろう度試験●
光による色の変化の程度(変退色)を調べる試験
第3露光法に基づいて基準を満たしているかを調べます。
【試験方法】
試料と3級のブルースケールを用意し、
それぞれの半分を不透明の紙で覆い隠して、試験片ホルダーに取り付けます。
試験機にセットし、カーボンアーク灯光を用いブルースケールが
標準退色するまで光を当てます。
↓
照射後、試験片を取り出し、
照射部と非照射部の色の差を標準退色したブルースケールと比較し判定をします。
試料をセットしたもの
カーボンアーク灯光試験機
☆カーボンアーク灯光とは上下に離れたカーボン間に電流を流した時に発生する放電による光のことです。
●引裂試験●
生地に引き裂くような力を加え、
どの程度の力まで耐えることができるかを調べる試験
☆引裂試験の方法にはいくつかの種類があります。
その中の代表的な試験方法でもあるペンジュラム法とシングルタング法について、
今回はご紹介致します。
1.ペンジュラム法
ペンジュラム法とはエレメンドルフ形引裂試験機を使用します。
振り子の原理で生地を引き裂き、生地の強度を調べる試験になります。
エレメンドルフ形引裂試験専用機
(振り子の原理で動きます)
↓
↓
試験機のクランプに切り目を入れた試験片を挟んで
セット・押さえを外すとおもりが振れて一気に試験片を引き裂きます。
☆中央に2cmの切れ目を入れて、残り4.3cmを引き裂いたときの
エネルギー変化量から強度を測定します。
2.シングルタング法
シングルタング法は引張試験機を使用します。
引張試験機
試験機のチャックに試験片をそれぞれつかみ、
試験機のスイッチを入れるとチャック間が徐所に開いて
糸を1本ずつ切断します。
☆引き裂く時に示す最大強さを測定し平均値で表します。
●ピリング試験●
商品の毛玉がどの程度発生するかを確認する試験
☆ピリング試験の方法にはいくつか種類があります。
その中の代表的な試験方法でもあるICI形試験機を用いるA法についてご紹介致します。
1.ICI形
ICI形試験機を使用します。
セーターのように全体に出来る毛玉はICI形試験機を用います。
試験時間が長く、織物で10時間、編物で5時間かけて試験をします。
まず、試験する生地を四角に切って
ゴム管4本に巻き付けます。
↓
4本を内側がコルク貼りの箱の中に入れます。
↓
ICI形試験機(ニットの場合、5時間箱を回転させます)
箱の中でゴム管が互いにぶつかり、壁に当たって毛玉ができます。
試験が終わったら箱の中からゴム管を取り出し、生地を外します。
JISの標準写真と比べて5級から1級の範囲で判定します。
2.アピアランス形
全体的に出来る毛玉はICI形試験機を用いますが、
部分的に出来る毛玉はアピアランス形を用います。
生地を3枚分四角に切る。
↓
丸い棒状器具の先に試料を取り付けます。
↓
表面のザラザラした板の上に
試料面が当たるように丸棒をのせます。
↓
ザラザラした板が20回、回転します。
↓
判定
☆繊維の評価 まかせて安心QTEC!☆
協力:一般財団法人 日本繊維製品品質技術センター(QTEC)西部事務所
住所:大阪市中央区常磐町2-3-25 TEL:06-6946-4855
以上、いかがでしたでしょうか!!
お気軽にお問い合わせ下さい☆
増見哲㈱