AIL
2018
12
Oct
【ファッションブランドが決済サービス企業へ投資する時代】
皆様、こんにちは!APPARELWEB INNOVATION LAB.のケルビンです。今週も海外の最新ビジネス情報をお届けします。
10月、SPA大手のH&Mがスウェーデン発の決済サービススタートアップKlarna(クラーナ)へ出資すると海外のメディアから報じられました。Klarnaは後払い決済サービスです。ユーザーがECサイトで商品を購入するときに、メールアドレスと郵便番号を入力するだけで、Klarnaが該当ユーザの信用状況を調査し、問題がなければ小売業者に対して商品代金を払います。その後ユーザーへ請求書を発行し、ユーザーが2週間以内に支払いを行うという仕組みです。
小売業者にとって、Klarnaのメリットは、短時間でユーザーの信用状況を確認し、購入処理の完了時点で小売業者への支払いが完結することで、料金回収のリスクがなくなることです。
H&MとKlarnaのプレスリリースによると、今回出資の意図は、H&Mのオムニチャネル戦略として、Klarnaの決済サービスを自社のビジネスモデルや顧客の購買行動の特徴にカスタマイズした上で、自社のアプリへ取りこみ、店舗とEC双方でのユーザーの購買体験を高めるためです。
ここ最近H&Mの業績が不振で、株価も過去8年間で最低水準まで下落しました。このような背景の中で、「ただ安くてオシャレな単品商売」は恐らく限界が見えて来ています。H&Mが単にKlarnaを導入するだけではなく、実際に出資するまで踏み出したことは本格的に顧客体験を改善する姿勢が表れているのではないでしょうか。