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2021 09 Feb

「ターク」が2021秋冬コレクションをプレゼンテーション形式で発表

 「ターク(taakk)」は2020年2月8日、東京・豊島区に位置する自由学園 明日館 講堂にて2021秋冬コレクションのプレゼンテーションを行った。新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、会場内への入場制限を設けて開催した。

 

 今回のプレゼンテーションは一般的なショー形式とは異なり、デザイナーが自ら一点ずつアイテムを説明するという従来のオートクチュールを模した形式での発表となった。同プレゼンテーションの冒頭で「ターク」のデザイナー、森川拓野が「今季のテーマは夢。寝ている最中に夢に見る情景を具現化するような、夢と現実の矛盾した状態を表現をしたいと考え、デザインの旅をスタートしました。いつもデザインをするときに、いろんな常識が邪魔をして、それを崩すために毎日考えて寝て。夢を見て。夢に出てきそうな幻想的な世界を表現しています」と語ったように、「ターク」が得意とするテクニカルなテキスタイルに象徴される現実・非現実世界という曖昧な境界線同士の混淆や、テーマに対する作り手の深い思索が美しく具現化されたコレクションに仕上がっていた。


 造形のアウトラインがデフォルメされたような印象的なセットアップは、コインの上に紙を引いて鉛筆で擦ると柄が浮かび上がるという性質をデザインに応用したものだ。洋服の上にシルクススクリーンを乗せて擦ることで、内側のラペルの厚みや縫い代などのディテールがアタリとして自然に浮かび上がり、二次元的な表現を可能にしている。


 グラデーションの生地が印象的なロングコートのルックは、夕日のグラフィックが徐々に薄れることでインナーが透けていく情景的なイメージで、アウターには取り外しのキルトライナーが付属する。今回のプレゼンテーションではライナーを外して軽さのあるコーディネートを提案していたが、ライナー着用時にはグラフィックから徐々に内側のライナーが透けていくデザインとなるという。

 

 


 花のカラーをコラージュしたグラフィックが大胆にあしらわれたクロップド丈のトップスも目をひく。シンプルさの中にも丈感などで新鮮さを求めてパターンを制作したという。


 階調豊かなアマリリスの柄が全身を覆う、アーティスティックなセットアップはフォーマルムードのベーシックアイテムとは一線を画している。またこれらのアイテムに落とし込まれた写真は全て故意にピントをずらして撮影されたもので、ありそうでないものに対する示唆的な表現を含んでいる。

 

 

 ドッキング手法も随所に見られた。綿のリップストップ生地が徐々にMA-1のナイロンツイルの生地に切り替わることで、M-65のフィールドジャケットとMA-1のフライトジャケットが融合したような、一つの新しいアイテムを構成する。


 セットアップでは、トップスの生地をヘリンボーンウールから綿のシャツ生地に徐々に切り替えていくことで、ジャケットとシャツの機能を一着に集約した。ジャケットをタックインし、これまでにないフォルムを生み出す「ターク」の提案は、こうした新素材によって初めて実現する。

■「ターク」2021秋冬コレクション

■ 「ターク」公式サイト