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「ドルチェ&ガッバーナ」が2021秋冬メンズ コレクションをデジタルショーで発表
「ドルチェ&ガッバーナ(Dolce&Gabbana)」が、2021 秋冬メンズ コレクションをデジタルショー形式にて発表した。当初は、ミラノファッションウイークの公式スケジュール内で発表される予定だったが、新型コロナウィルスの感染状況の深刻化により、時期をずらして無観客でのショーをオンラインで発表する形に変更した。
今シーズンは「DG TOGETHER」がテーマ。ドメニコ・ドルチェとステファノ・ガッバーナは、今の時代に多くの人々が望んでいる「みんなと一緒にいること」に目を向けた。ランウェイには大きなスクリーンが設置され、世界各国のセレブからのビデオメッセージが流されている。通常は招待客が座るランウェイを挟んだ両サイドの壁面にはミラーが設置され、そこに大スクリーンの映像が写ってまるでたくさんの観客に囲まれているかのようだ。
インターネットやSNSを通して世界中で今起こっていることを知ったり、特に新世代の若者たちとバーチャルかつクリエイティブにやり取りすることができるというアイデアがキーになっており、新しいテクノロジー、SNSによる新たなトレンドが、このコレクションに大きな影響を与えていると言う。
ゆえにコレクション全体に、新世代の若者たちらしいストリートテイストや自由で未来的な雰囲気が流れる。オンラインミーティングの際のコマ割り画像からの連想か、パッチワークのように様々なモチーフが組み合わされたようなスーツやジャケット。フォルムも「ドルチェ&ガッバーナ」にはちょっと珍しいボックスシェイプやアシンメトリーになっていてストリート風のテイストが。パーカやボリューミーなダウン、ヘルメットやハイカットスニーカーなどスノボやスケーターファッション風のアイテムも多く登場する。
または、レオパード柄、グラフィティ風に描かれたDolce&Gabbanaプリントなどインパクトのあるモチーフがパンツやレギンス、シャツやアウター類など多くのアイテムで登場したり、道路標識のようなマークがトレーナーやパーカに使われていたり。テレビ画面のディストネーションのようなニットや、ゴールドやシルバーのメタリック素材やラメ、スパンコールなど、カラフルでパンチのきいたアイテムも登場する。さらにラミネートされたナイロン、ホログラムなどエレクトリカルな印象を与える数々のアイテムも。
興味深いのは、モデルたちのメイクアップやネイル、そして重ね付けしたロングネックレス、ベルトチェーンや眼鏡チェーン、イヤリングなどのゴールドアクセサリー使い。一見中性的にも見えるこれらの演出は、今の時代らしい自由な表現を象徴しているのかもしれない。
「みんなと一緒にいること」とは、様々に違う他の人たちの個性も理解することでもある。このコレクションには自由に自分らしさを表現する、ファッション界の未来へのメッセージがこもっているのかもしれない。
文:田中美貴
■「ドルチェ&ガッバーナ」公式サイト