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2021 04 Nov

「グッチ」がLAで最新コレクションを発表 ハリウッド俳優らもモデルとしてウォーキング

Photo by  COSIMO SERENI

 「グッチ(GUCCI)」が2021年11月2日(現地時間)に米ロサンゼルスでショーを開催した。2020秋冬シーズン以来となるコレクション発表の地として今回アレッサンドロ・ミケーレが選んだのは、ハリウッド ウォーク オブ フェイム。チャイニーズシアターから出てくるモデルたちが、ハリウッドブルーバードを闊歩するという壮大なセットだ。

 

 今回のショーは映画制作会社のアシスタントをしていた母から話を聞いて、アレッサンドロが幼いころから抱いていた古きよきハリウッドへの憧れが体現されたものなのだとか。アレッサンドロは「母から受け継いだ美しいものへの憧れ、夢見ることの素晴らしい喜び、映画と言うモノの神秘的なオーラが私の心をとらえ続けていた」と語り、ハリウッドを「多種多様な神々が住むギリシャ神殿」と形容する。“Love Parade”というテーマのこのコレクションは「過去も未来もなく、想像力から生まれる奇跡だけがある場所を目指す、魅惑的でどこまでも自由な存在のパレード」なのだ。

クリエイティブ・ディレクターのアレッサンドロ・ミケーレ (Photo by  KEVIN TACHMAN)

 

 ハリウッドスターの華やかさやゴージャス感や、「グッチ」の歴史とは切り離せないジェットセッターのイメージ、そんな中にロサンゼルスという西海岸の街の開放的でスポーティな雰囲気もミックスされ、アレッサンドロらしい独特な折衷でコレクションが繰り広げられる。

女優のジョディ・ターナー・スミス

俳優のマコーレー・カルキン

 

 タキシードはボックスシルエットでボリュームが強調されていたり、カラフルなオプティカルパターンで仕上げられている。ピークドワイドラペルのジャケットやジレ、カマーバンドにはレギンスとスニーカーを合わせるコーディネートが。デフォルメされたボウタイやパピヨン、巨大なブートニエールやロンググローブ、カーボーイハットなどの小物も効いている。

俳優のジャレッド・レト

ミュージシャンのスティーヴ・レイシー

ミュージシャンのセイント・ヴィンセント

 

 襟元や裾にファーがあしらわれたドレスやフェザのコート、長いトレインをあしらったドレスやマーメイドシルエットのサテンドレスフリンジやレース、メタリック素材もふんだんに使われたゴージャスなピースたちの傍らで、ヴェニスビーチを連想させる砂浜とパームツリーのプリントのシャツやセットアップなど、イージーな雰囲気が交じり合う。しばしば、ガーターベルト付きの網タイツやビスチエなどがコーディネートされていてセンシュアルさもプラスされているのも印象的だ。

 夢や憧れを抱きにくい混とんとした今の時代に、「グッチ」が見せてくれた一夜の夢。今年創設100周年を記念して行ってきた一連のイベントの大団円ともいえるような印象的なショーだった。

Photo by DAN LECCA

Courtesy by GUCCI

文:田中美貴

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