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2021 27 Oct

「トモコイズミ」小泉智貴デザイナー毎日ファッション大賞受賞について語る

 

写真:小泉智貴デザイナー(写真提供:毎日新聞社 、撮影 三澤威紀)

 

  2021年10月25日2021年度(第39回)毎日ファッション大賞の表彰式が東京都内の会場で開催。注目の大賞は「トモコイズミ(TOMO KOIZUMI)」の小泉智貴デザイナーが受賞した。

 表彰式の後、小泉デザイナーはメディアの取材に応じ、受賞後の気持ちやこれまでの軌跡や思い、そしてこれからの展望について語った。

 受賞については「大賞をとるには、ある程度ファッションデザイナーとしてのクリアしていないと思っていたし、驚いた」と答え、その一方「何が普通なのかが変わってくのが今だし、新しい基準が求められている」と話し、そのような環境の中「自分がやってきたことが評価されたのかな」と自ら分析をした。

 

 2019年にエディターのケイティー・グランドに見出されニューヨークコレクションに鮮烈なデビュー。その後、楽天ファッションウィークで華々しい凱旋ショーを行い、「エミリオ・プッチ(EMILIO PUCCI)」のゲストデザイナー、「サカイ(sacai)」とのコラボレーションなど数々のプロジェクトに参加し、今や日本を代表するデザイナーに名を連ねるほどに。2021年は、東京オリンピックの国歌斉唱のコスチュームを担当。長年憧れていたデザイナー、ジョン・ガリアーノとも仕事をし、世界の歌姫ビヨークにも衣装提供を行うなど彼自身「2021年夢が次々と叶った」と話す。

 

写真:2020春夏NYコレクションでのショー

 

 メディアなどでシンデレラボーイなどと形容される小泉デザイナーだが、これまでの快挙の理由について「身軽さが理由」であり「自分で判断して動くので早いからだと思う」と話した。様々なプロジェクトは、SNSで繋がっている関係者からのダイレクトメッセージでのオファーだと説明し、それらの対応もスピーディーにできたことが要因だと答えた。

 

 また、受賞のスピーチでも触れた「これまでの苦労」について聞くと、20代前半にその苦労があったから今の忙しさやプレッシャーに耐えられたと振り返り、「そのような経験を積んでから世界に出られたのはラッキーでベストなタイミングだった」とポジティブに捉えており、今の自身の環境については「現実味のないことが起きていると感じるし、地に足をつけていかない」とし「ブランドが流行ると廃れる、それをどうコントロールするか」が課題とした。

 今後の展望については、衣装デザイナーを貫く姿勢を見せ「着て欲しいセレブリティ」が居る「ロス、ハリウッドに行きたい」と晴々しい表情で話した。

 彼が何度か口にした「マイペース」という言葉通り、気負いなく自然体な話し方と表情。様々なプロジェクトでこれからも意外性のあるチャレンジを続けるだろうが。軸足はブレずに自身のライフワークを究めてゆくことだろう。

取材:山中健

 

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