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2021 10 Dec

「バレンシアガ」が2022フォールコレクションを発表 ムービー「The Lost Tape」を公開

 

 今季よりファーストネームのみの呼称となったデムナによる「バレンシアガ(BALENCIAGA)」は、12月8日に2022フォールコレクションを発表し、ハーモニー・コリンが監督した古いビデオテープ風のムービー「The Lost Tape」を公開した。雑然としたバックステージの様子、ショー会場に入る招待客がドキュメンタリー映像風に捉えられ、ナオミ・キャンベルやスザンヌ・バーチといった90年代に活躍した人々のインタビューが挟み込まれる。

 コレクションは、ニコラ・ゲスキエールがアーティスティックディレクターに就任する以前の1990年代、つまり「バレンシアガ」が忘れ去られていた時代をイメージ。その当時隆盛していたレイヴやクラブに集う人々のファッションと、グランジ後のシルエットをモダンにアレンジしている。ウエストを絞ったバスクスタイルのジャケットやトラックスーツなど、クリストバル・バレンシアガ作品由来のフォルムもミックス。

 すでにアイコンとなっているベルシェイプのパーカには、脱着可能なトラベルピローをあしらい、バスローブ風トレンチやフローラルモチーフのコートドレス、ワイドショルダーのジャケットなど、デムナらしいアイテムが冒頭から続く。アンダーウェアの上部を見せて穿くローライズのジーンズには、「バレンシアガ」のイニシャルのBを重ねたダブルBのベルトをコーディネートし、アスレチックウェアをミックスすることで90年代のBボーイスタイルにスポーツの要素を加える。安全ピンでつなぎ合わせたケープドレスや、ファーストルックのグローブと一体型になったトップスとサイハイブーツと一体型になったパンツのセットアップも、絶妙なバランス感覚でまとめられている。

 今季はワイルドささえ漂わせる再構築したアイテムが目を引いた。ヴィンテージのスリップを解体してつなぎ合わせたり、5ポケットのジーンズをミニスカート、パンツ、そしてサイハイブーツに転用したりするなど、実験的なアプローチが印象的。常に進化するデムナの強い姿勢を提示して見せていた。

文:清水友顕

■「バレンシアガ」The Lost Tape


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「バレンシアガ」公式サイト