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「シャネル」が「2021−22メティエダール コレクション」をパリで発表
ヴィルジニー・ヴィアールによる「シャネル(CHANEL)」が、2021年12月7日に「2021-22メティエダール コレクション」を仏パリで発表した。会場は19区のポルト オーベルヴィリエに位置するle19M。これは、刺繍のルサージュ(刺繍学校も含む)とアトリエモンテックス、羽と花細工のルマリエ、シューズのマサロ、帽子のメゾンミッシェル、プリーツのロニオン、金細工のゴッサンスといった11のシャネル傘下のアトリエが集約される複合施設である。
「芸術的な手仕事」を意味する「メティエダール」を冠したコレクションは、それぞれのアトリエの特性が最大限に発揮されたアイテムで構成され、2002年より毎年発表されている。各アトリエとパートナーシップを組むことで、伝統技術と芸術資産の保護と継承を目指す「シャネル」が1985年より取り組む一大プロジェクトでもある。今回はその拠点となる新設の建築物を会場に、メモリアルなコレクション発表となった。
コレクションはオートクチュールと同等の技術を用いながら、日常着としても着用可能なアイテムをミックス。モンテックスによるスパンコール刺繍のポケットと、デリュによる七宝ボタンを配したロングコートのヴィヴィアン・ローナーでスタート。刺繍は、建築家リュディ・リチオッティが手掛けたle19Mの外観からインスパイアされ、グラフィカルでジオメトリック。
ボクサーショーツ風のサテンパンツ、「シャネル」のロゴ・レターをグラフィティ風に刺繍したジレやジャケットを合わせることでストリートウェアの要素も配し、随所に若々しさを演出。ローゲージニットのアンサンブルやリブを配したカーディガン、バギーなデニムパンツやスパンコール刺繍でキルティングを表現したダウンジャケットなど、カジュアルな要素を加え、コレクションをモダンに仕上げている。
カメリア、ベルト、ボタン、シューズ、ハット、ジュエリー、生地、糸、羽、ビーズ、スパンコール…。1つ1つのルックの中に語られるべき逸話が凝縮されている、「シャネル」の世界観を体現したコレクションとなっていた。
文:清水友顕
■2021-22メティエダール コレクション ショー動画