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「グッチ」がアーカイブコレクション収蔵拠点を伊フィレンツェに開設
「グッチ(GUCCI)」は2021年7月1日、ブランド創設100周年を祝うプロジェクトのひとつとして、伊フィレンツェにある15世紀の建造物パラッツォ・セッティマンニにアーカイブを保管する新たな拠点を開設した。
改修に当たり、近年増築したすべての構造物を取り除くと、19世紀の装飾、18世紀のトロンプ・ルイユ、17世紀末のフレスコ画、さらにはそれ以前の装飾の痕跡が現れた。エントランスホールのみ、より多くの光を取り入れるために1990年代に付け加えられた天蓋を取り除き中央のポーチをオリジナルに復元。これらの修復作業のすべては地元とのつながりを尊重して地元の職人や専門家たちに委ねられた。
地下1階を含む全5フロアに渡るアーカイブはテーマ別に配置され、各部屋や空間にはアレッサンドロ・ミケーレが生み出した造語で名前が付けられている。地下は、「Radura(=草地)」(ポーセリンと家庭用アイテム)、「Herbarium(=植物標本)」(ステーショナリー)、「Maison de L'Amour(=愛の家)」(レジャー関連用品)の3つのホールに分かれる。1階には、「Hortus Deliciarum(=歓喜の庭)」(ヴィンテージ ハンドバッグ)、「Prato di Ganimede(=ガニメデの草原)」(ヴィンテージレザーグッズとベルト)、「Swan(=白鳥)」(企画展示室)、「Le Marché des Merveilles(=驚きのマルシェ)」(ヴィンテージ & コンテンポラリージュエリー)、「1921 Rifondazione(=再建 1921)」(ヴィンテージラゲージ)という、それぞれにコレクションを収蔵した5つのホールが。2階には、「Orto di Giove(=木星の庭)」「The Alchemist's Garden(=錬金術師の庭)」「Serapis(=古代エジプトの神の名前)」「Aveugle par Amour(=盲目的な愛)」といった部屋にスカーフやドレスなどテキスタイル作品とシューズのアーカイブが収められている。そして3階には「Façonnier des Rêves(=夢が生まれる場所)」と名付けられた多目的ホールがある。
「グッチ」を象徴するバンブーバッグやジャッキーバッグが、そのデザインコードを継承しながら、時代の空気を取り入れてさまざまな素材やフォルムで進化してきたことを紹介しているコーナーもあり、また隣接するジュエリーの部屋では壁一面を覆う鏡の部屋に無限に続く宇宙にヴィンテージ ジュエリーと現代のコレクションが展示されている。またラゲージやレザーグッズといったライフスタイル アクセサリーのアーカイブも必見だ。
また、このパラッツォ・セッティマンニは、同社社員へのユニークな教育機関「グッチ エデュケーション(Gucci Education)」の本部となる。現地での実習とともに、革新的なデジタルシステムにより、特定のニーズや興味、能力に基づいて個々にトレーニング内容を選択することができるオンラインクラスも展開する。オンラインではリテールアカデミー、サプライチェーンアカデミー、HRアカデミー、デジタルアカデミーといった日常の業務にすぐに活用できる実践的プログラムも提供。また「Gucci ArtLab」や製品製造施設で展開されているÉcole de l'Amour(=クラフツマンシップの継承を目的とした実習)も行われる。
文:田中美貴
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■問い合わせ先
グッチ ジャパン クライアントサービス
TEL:0120-99-2177