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「リトルビッグ」が初のランウェイを開催 日常着としてのテーラードジャケットに込めた強さと美しさ
デザイナーの馬渡圭太が手掛ける「リトルビッグ(LITTLEBIG)」が2021年9月15日、東京・港区「メルパルク東京」の地下駐車場で2022春夏コレクションをランウェイショー形式で発表した。
今シーズンのテーマは“デイライト(Daylight)”。コロナ禍の中で、周りのサポートのおかげでブランドを続けられていることの喜びを再認識し、「次は自分が暗い地下から日光を見上げるような希望を届けたい」という想いを込めたのだという。テーマを表現すべく、ランウェイの会場は地下駐車場で、ライトがいくつも差し込むような演出を行った。
中学生の頃からテーラードジャケットが好きで着用していたというデザイナーの馬渡氏が、美しく仕立てたジャケットを日常着として着てもらいたいという想いからスタートさせた「リトルビッグ」。そのブランドを代表するテーラードジャケットは、今シーズンも多様な形で表現された。リアルレザーやデニムのシングルブレストジャケットといった素材のバリエーション。そしてピークドラペルのダブルブレストや肩を大きく強調したコンケープドショルダー、アクションプリーツといったディテールのバリエーションなど、その端正な仕立てと計算され尽くしたシルエットでブランドの強みを見せつけた。袖が極端に長いニット、色のコントラストが強いボーダーTシャツ、ヴィヴィッドなカラーのトラックスーツなど、パンクな印象のアイテム・スタイリングも登場。ただ全体的にシルエットはスリムで、光沢のある素材や落ち感のあるウールなど上品な素材を用いて、コレクションとしては時代の流れを汲んだクールでエレガントな雰囲気を創り上げていた。
元々はエッジ―なセレクトショップ「カンナビス(CANNABIS)」のバイヤー兼デザイナーとして活躍していた馬渡氏。「他のデザイナーたちが命をかけてデザインしているのに、兼業では失礼だと思った」と約10年前に独立。今回初のランウェイを終えて、「強い服、美しさがある服を作った。今後は世界でのチャレンジも見据えている」と、今後の意気込みも語った。