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「モンクレール」が戦略的なデジタル強化を発表 今後3年間でオンライン販売シェアを2倍に
「モンクレール」は、今後3年間でオンラインビジネスのシェアを2倍にすることを目標とし、新たなデジタルプラットフォームの開発を行うことを発表した。
同社は「ユークス・ネッタポルテ(YOOX NET-A-PORTER)」グループとの協業によってEコマースが予想を上回る成長を遂げたことを受け、Eコマースの“内部化(自社プラットフォームの構築)”を実施する。これは今10月の米国とカナダを皮切りに段階的に実施し翌年に完了する予定だ。 更に来年には完全統合されたオムニチャネルのEコマースプラットフォームの立ち上げを予定しており、技術的な進歩だけでなく、クライアントに向けた革新的なアプローチを可能にする。
そのため新たに“Digital, Engagement and Transformation”機能を掲げ組織全体にデジタルカルチャーを浸透させる。地域の特殊性や文化、発展に関する深い知識、実行時の強い対応力が必要となるため、外部のエコシステムの活用をはじめ、革新的なスタートアップ企業との交流や、オープンイノベーションプラットフォームやアクセラレーションハブとのコラボレーションを積極的に進め、刺激的で学際的かつ横断的なシステムの一部として協働する。
またエンターテインメントの世界から着想を得て、プロダクトのパーソナライゼーションなどカスタマイズされたコンテンツとサービスに加え、視覚的な側面だけでなく、コミュニケーションやアシスタンスの面も強化する。ビデオメッセージやデジタルアポイントメント、遠隔販売、フィジカルイベントなどのデジタルツールやソーシャルプラットフォームによってサポートされ、実店舗とデジタルとの連動を図る。またライブ販売、ライブストリームを活用し、新しい顧客エンゲージメントとコミュニティ開発ツールを常に探求。自社アプリ“Monclient”との連携により、店舗と他の全ての販売チャネルで入手可能な商品情報を迅速に収集し、チェックアウトを行わずにデジタル決済やアフターセールスのリクエスト管理が可能になると共に、カスタマー情報やプリファレンスも即座に得ることができる。
またビッグデータからより本質的で実用的なスマートデータ戦略への移行が可能となり、ユニークかつ完全なカスタマー概要を構築することで、意思決定プロセスをリアルタイムでサポートする。 すでに品質管理や倉庫管理、需要計画、店舗補充などに応用されているAIは、Eコマースチャネルでのプロダクトレコメンデーションやクライアントサービスとの意思疎通、マーチャンダイジングや価格設定などの新しい分野にも拡大される。
モンクレール会長兼CEOのレモ・ルッフィーニは、「Eコマースの“内部化”を通して、体験をこれまで以上にパーソナライズし、カスタマージャーニーを中心に据えた新たなプラットフォームを提供します。コレクションの定義から製品開発、イベントのコンセプトに至るまで全てのプロジェクトをデジタルファーストと考え、顧客との最初のタッチポイントとして、デジタルプラットフォームにフィットするようデザインし、その後、他のチャネルに拡大させていきます。 この新たなアプローチは、急速な組織的、文化的、技術的な進化を必要とし、全てのソーシャルチャネル上でのカスタマーとの対話だけでなく、クリエイティビティや実験性、コンタミネーションに満ちた未来を切り開きます」と語る。
文:田中美貴