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「サルヴァトーレ フェラガモ」創業者の波乱の人生を描いたドキュメンタリー映画がヴェネチア国際映画祭に出展
「Salvatore, Shoemaker of Dreams」ティザームービー
「サルヴァトーレ フェラガモ(SalvatoreFerragamo)」は、映画監督ルカ・グァダニーノによる、創業者サルヴァトーレ・フェラガモの半生を描いたドキュメンタリーフィルム「Salvatore, Shoemaker of Dreams」が第77回ヴェネチア国際映画祭に出展されることを発表した。
同作品はサルヴァトーレの半生を描いた自叙伝を読んたグァダニーノ監督が感銘を受け、フェラガモファミリーの協力を受けて、映画化したもの。サルヴァトーレの偉大なる足跡を辿るのみならず、彼が生活した二つの世界、イタリアとアメリカを密接に織り交ぜながら物語は展開される。そこには、南イタリア・カンパーニャ地方で生まれたサルヴァトーレが、ナポリでの靴職人への弟子入りをして腕を磨き、カリフォルニアでハリウッド ブーツショップのオーナーになり、その後イタリアに帰国してフィレンツェでブランドを創業、起業家として成功していく・・・という、彼の波乱万丈の人生が描かれ、また同時にその類まれな才能とセンスや不屈の精神を物語る。
この作品のプロジェクトは1997年にスタート。3年にわたり、「サルヴァトーレ フェラガモ財団」と「サルヴァトーレ フェラガモミュージアム」は、歴史的な専門知識と見識の観点からサポートし、フェラガモファミリーはアーカイブを披露したり、インタビューや家族の逸話などを紹介して同作品に協力した。中には、サルヴァトーレの妻であるワンダ・ミレッティの生前最後の貴重な言葉、サルヴァトーレ本人が自身の自叙伝を朗読している録音テープと、オーストラリアでのラジオインタビューなど、なかなか手に入れることができないような貴重な資料が作品に生かされている。
天才的なクリエーターであると同時に地に足の着いた実業家、そしてその本質として快適な靴を求め続けた職人であったサルヴァトーレ・フェラガモ。様々な意味でパイオニアだった彼の偉大なる人生が紐解かれる。
文:田中美貴