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2020 17 Aug

「デザイナーズ リミックス」が打ち出したアップサイクルな“プレラブド”コレクション

 「デザイナーズ リミックス(DESIGNERS, REMIX)」は、2020年8月10日、コペンハーゲン・ファッション・ウィークにてフィジカルプレゼンテーションをライブストリーミングで公開する形でコレクションを発表した。

 ちなみに今回のコペンハーゲン・ファッション・ウィークは去る8月10~12日の3日間開催。デジタルでのフィルム公開、フィジカルショー、またはデジタルとフィジカルのミックスなど様々な形式がとられ、また多くのショールームにてオープンハウスの展示会も行われた。「ガンニ(GANNI)」や「ヘンリック ヴィブスコフ(Henrik Vibskov)」などのデンマークブランドを始め、「マリメッコ(MARIMEKKO)」や「リクソ(RIXO)」など他都市でコレクションを発表してきたブランドも参加した。

 「デザイナーズ リミックス」は2002年、コペンハーゲンにてデットストックアイテムのアップサイクルもしくはリミックスというアイディアのもと、シャーロット&ニールス・エスキルドセンによって設立。これまでもサステナビリティに注力してきたが、 新コレクションでは大々的にアップサイクルのテーマを掲げた取組みを展開した。様々なデザイナーのデッドストックやヴィンテージ、またはデザイナーズ リミックス自身のユーズドアイテムを使用し、コペンハーゲンのアトリエでハンドメイドによってピースを組み合わせた独特のテーラードテイストを表現した。

 様々なピースを組み合わせて生まれ変わったテーラードジャケット、ジャケットをつなぎ合わせたアシンメトリーなコート、複数のトレンチをつないでオーバーボリュームに仕上げたコートドレス、テーラードジャケットを腰で結んだようなデザインで作られたミニスカートなど、アシンメトリーなバランスやボリューム感による遊びも満載だ。マスキュリンなアイテムを崩したり、つなぎ合わせたりすることで絶妙なフェミニンさが漂う。また、ビスポークのテーラーメイドのアイテムの生地や、家具メーカーのノーマンコペンハーゲンのカーテンや家具用生地も使われていて、素材のコントラストも強調されている。

 これからの時代のキーワードであるサステナビリティという考えを尊重しつつ、クリエイション的にも十分にインパクトを放ったコレクションは、“二兎追うもの”が二兎以上のものを得たコレクションといえそうだ。

 

文:田中美貴

撮影: Sarah Buthmann & James Cochrane

 

「デザイナーズ リミックス」“プレラブド”コレクション

「デザイナーズ リミックス」公式サイト