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2021 05 May

「シャネル」コクトー映画に着想を得た2022クルーズ コレクションを発表 上品さとロックなテイストが同居

 「シャネル(CHANEL)」は仏現地時間2021年 5月4日 18:00 より、2022クルーズ コレクションのフィルムを、公式サイトをはじめとした公式SNSにて発表した。コレクションの発表に先駆け、フォトグラファー デュオのイネス & ヴィノードがローラ・ニコンをモデルにパリのカンボン通り31 のガブリエル・シャネルのアパートにて撮影したティザー動画も公開されている。

 一方、コレクション舞台となったのは、南フランスのレ ボー=ドゥ=プロヴァンスにある、採石場の跡地を利用したミュージアム、キャリエール ドゥ リュミエール。この場所は、ガブリエル・シャネルにも近しかったジャン・コクトーが脚本・監督した映画で、ヴィルジニー・ヴィアールの大好きな「オルフェの遺言」の撮影場所でもある。

 ヴィルジニー・ヴィアールはこのコレクションで「コクトーの映画のシンプルさ、正確さや誌的さ」からのインスパイアで、「明るい白と深い黒で構成された非常にクリーンな2つのトーンでコレクションを作成したいと思った」と言う。ゆえにコレクションではカラートーンのメインを黒と白で固め、そこから生み出されるロック、またはパンクな雰囲気が全体を彩る。それは「コクトーの映画の極端な現代性を反映」しているのだとか。

 ロックな雰囲気は各所に使われるパンチのきいたレザー、ビーズやスパンコール、フリンジなどのディテール、ティザー映像で登場したローラ・ニコンの顔がプリントされたロックテイストのTシャツ、ロングネックレスの重ね付け、ダブルCの唇のピアス、網タイツやブロークンタイツなどに表される。またマイクロショートやブラトップを使った肌見せもしばしば登場する。そしてこれらの要素をツィードスーツや、ワイドパンツ、スリットの入ったスリムスカートなどの品のあるアイテムとコーディネートしている。後半に登場するマクラメ織りのケープとベルベットのミニドレスのルック達にも上品さとロックなテイストが同居する。

 そして、映画「オルフェの遺言」に登場するハイビスカスの花は、コレクションの中にもデフォルメされた形でマキシロングドレスやチュニックドレス、ロングガウンなどのプリントで使われたり、モデルが花を手に持って登場。

 

 フィナーレでモデルたちが集合して、平和の象徴である白いハトを空に放つ様子が印象的だ。また、コレクション映像の後には、セバスチャン・テリエと、シャーロット・カシラギやバネッサ・パラディ、アンジェルなどをゲストにしたミニコンサートも公開された。

画像&動画:シャネル

文:田中美貴

■「シャネル」2022クルーズコレクション