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「ベイシックス」元「クリスチャン ダダ」の森川マサノリが手がけるサステナブルで等身大の服
「クリスチャン ダダ(CHRISTIAN DADA)」の元デザイナー、森川マサノリが手がける新ユニセックスブランド「BASICKS」が2021年3月にファーストコレクションを展示会でお披露目した。森川デザイナーの活動休止発表から約1年を経ての発表となった。
ブランドコンセプトは“⽇常着の循環/アウトライン(輪郭)化”。ベーシックなデザインを元に、⽩のステッチワークで全て縫製、“循環/アウトライン化”することで⽇常着におけるデザインを可視化し、「服、ファッション、デザインとは何か」を問いかける。⽩のステッチワークに輪郭という象徴的な意味を持たせることにより、アートシーンのレディメイドの思想と同様に新しい価値観を付与し、トレンドやスタイルが変わろうとも「アウトライン」は変わらず循環し続けるという提起をしていく。ブランド名の「ベイシックス」は、Basics(基本)という言葉を基に、Basic(格好悪い)とSick(格好良い)という単語を掛け合わせた造語だ。
森川デザイナーが「クリスチャン ダダを手がけていたときは創作寄りの服作りをしていましたが、今回はどちらかというと自分の着たい服だとか、等身大のようなものを作っています。歳も重ねたので作りたいものも変わってきました」と語ったように、自身の心境の変化が同ブランドのクリエーションに大きく影響しているようだ。また「今回のブランドをローンチする前はOEMやデザイン提供などを行っていましたが、クライアントワークではなくもう一度、自分自身でコントロールできるような仕事をしたいと思いました」とも語った。
「ベイシックス」では、ほとんどの製品でオーガニック・サステナブル素材を使用する。オーガニックの染料を使用したデニムなどは色落ちしやすいといった難点はあるものの、包装用のビニールにバイオマス素材を使用するなどサステナブルな取り組みには積極的だ。また「ベイシックス」における新たな試みの一つとして、店舗で過剰在庫になってしまったものをブランドで回収、ペインティングやブリーチ、藍染めなどの加工を新たに施すことで、商材を再度循環させるシステムを構築する。
セールス面においては、基本は下代出しで行う国内セールスと自社ECサイトを中心に運営していく。下代出しはインポートブランド同様に、国内でも販売店舗ごとに上代価格設定が変動する可能性があるが、ブランド側から参考上代価格の提示はするという。6月末を目処にローンチする自社ECサイトでは、不定期なドロップや限定アイテムの取り扱いを予定しており、現時点ではセールなどは行わない方針だ。