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「トッズ」 同社グループ支援によるコロッセオ 地下施設修復が完了
「トッズ(TOD‘S)」 は2021年6月25日、同社が支援している伊ローマのコロッセオの修復工事の第二期工程である、円形闘技場のアリーナの下に位置する地下施設(ハイポジーア)の修復が終了したことを発表した。
「トッズ」は、2011年にコロッセオの修復への支援を発表。2013~16年 で修復プロジェクトの第一期工程、コロッセオ北面と南面の合計約13,300㎡の修復を完了している。そして今回、2018年から始まった 第二期工程であるコロッセオの地下部分の修復が終了したというわけだ。
この地下部分とは、約0.5ヘクタール(5,000㎡)の広さの円形闘技場のアリーナの下に位置する部分で、ここにはショーの舞台裏として観客の目に触れることのなかったコロッセオの地下施設が存在している。コロッセオでは西暦523年まで、人間と動物の戦いの見世物を行っていたが、その人間や動物、そして舞台装置をアリーナに出現させるための24台の可動式プラットフォームと28台の木製エレベーターがあり、ケージをウインチで持ち上げられるような技術装置が一揃え備わっていた。その中央の通路にはそれを取り巻く壁と14の仕切りで通路が作られていて、地下にある4つのギャラリーからしか立ち入ることができなかった。そんな以前には近づくことのできなかった部分が今回の修復のおかげで、一般にも公開されることになったのだ。
この修復には考古学者、修復士、建築家、エンジニア、測量士、建設作業員など総勢81名が関わり、作業を開始してから781日、55,700時間以上の実働を経て、延べ15,000㎡の面積を当時の姿に戻した。作業の最終段階には160メートルの長さの歩道がコロッセオ内に完成した。
第三工程まで予定されているこのプロジェクトのために「トッズ グループ」の支援は続き、今後はコロッセオ二階にあるこの建物の展示室の改修と、技術導入全般の最適化を進める。最終的にはサービスセンターが移設されコロッセオ外部のエリアに移動することで、見学を希望する来場者がよりスムーズに入場できるようになる予定だ。
文:田中美貴
■「トッズグループ」特設サイト(英語版)