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2022 20 Jul

「シンヤコヅカ」2023春夏コレクションショー “絵空事”を具現化

 



 
 「シンヤコヅカ(SHINYAKOZUKA)」が2022年7月19日2023春夏コレクションショーを、東京・夢の島公園アーチェリー場で行った。
 
 いつもコンセプトや音楽からコレクションの始点を作るという小塚信哉デザイナーが、掲げたテーマは“絵空事”。ファッションでできる限りの絵空事を描いたという。そのきっかけは2冊の写真集だ。
 
 一つは、抜けるような青空や海をバックにした美男美女の写真で知られるファッションフォトの大家、ブルース・ウェーバーの写真。彼が撮影した「マーガレット ハウエル」2001秋冬コレクションのルックブックに夏を感じたという。この感覚が、「ファッションがファッションとして佇む理由の一つがコントラストである」という小塚デザイナーの持論につながったという。もう一つが、潮田登久子の写真集「冷蔵庫」。冷蔵庫という決まった型の中身を撮影した同写真集に、小塚デザイナーの製作アプローチと親和性を感じたという。


 
 そのようなコンセプトワークによって製作したコレクションは、ワークやユニフォームをベースにしながら、大胆な柄やカラーや着崩しなどで遊び心を存分に見せた。ファーストルックは王冠をつけた総柄ルック。ゴーギャンの絵画を模写したという柄で、“絵空事”というテーマから絵画や夢というワードを導き出してルックとして具現化した。その後も絵画にまつわる要素は数々見られ、絵画の額縁をモデルたちが持ったり、被ったり、突き抜けたりしてウォーキングした。その前衛性は、柄にも現れる。線画柄、ぼかし、吹き付け、タイダイなどを、ユニフォームやワーク由来のアイテムやソックスなどに施した。


 
 カラーでは鮮やかなグリーンが印象的。日本人が持つ黒い瞳が見たグリーンとは別の表現をしたいという思いから、「青い目で見たグリーン」を表現した。すでにトレンドカラーとして広がっているグリーンであるが、本コレクションでは明度をあげたカラーで清涼感を与えた。
 
取材・文:山中健

Courtesy of SHINYA KOZUKA

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