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2021 20 Feb

「トッズ」がLFWで学生を支援するプロジェクト「トッズ・レガシー」を発表

 

 「トッズ(TOD’S)」はファッションを志す学生の支援プロジェクト「トッズ・レガシー」をロンドン・ファッション・ウィーク(LFW)の公式スケジュール内で発表した。

 「トッズ・レガシー」は「トッズ・アカデミー」の第一弾プロジェクトとして名門セントラル・セント・マーティンズの協力の下、今回の発表に向けて準備を進めたもの。この「トッズ・アカデミー」とは2020年7月に発足した同ブランド本社にあるラボラトリー的なもので、ここでは職人たちが学生達の現代的かつ独創的なアイデアを尊重しながら、先代から受け継ぐ技を伝承しつつ製品作りのノウハウを提供するという、実験的な場でもある。

 今回の「トッズ・レガシー」という企画は会長兼CEOのディエゴ・デッラ・ヴァッレがパンデミック下においての若いデザイナーたちへの支援を目的に、セントラル・セント・マーティンズのファビオ・ビラスの協力を得て実現した。同校の35名の学生デザイナーに経済的支援をする代わりに「トッズのコードを自分なりに解釈する」ことを課題として与え、各学生のメンターとしてファッション界の著名人を指名し、最終提案までの作業を共に進めてきた。メンターの中には世界的に有名な権威あるエディターやジャーナリスト、デザイナーらが名を連ねる。シモーネ・ロシャ、チャールズ・ジェフリー、リチャード・クインなどの世界的デザイナーから、伊コンデ・ナスト社のエマヌエレ・ファルネッティやシモーネ・マルケッティなどの有名エディター、トレンドセッターのハミッシュ・ボウルズやジャンルカ・ロンゴなど。

メンターを務めたデザイナー、シモーネ・ロシャ(写真上)と学生のスケッチ(写真下)

 

 LFWのプラットフォームで流された映像は1分弱の短いものだが、そこからYoutubeに飛べる形で、それぞれの学生たちの映像が見られるようになっている。各映像の中では学生たちが作品について自分の言葉で説明したり、メンターとの質疑応答を通じて作品の概要が詳しく伝えられる仕組みだ。作品の中には、ゴンミーニやホーボーバッグなどトッズのアイコン的アイテムを進化させたような実用的な作品から、同社のコンセプトをイメージとしてインスタレーションにしたりロゴを作り出したものまで様々だ。

LFWで発表された映像

 

 

 ディエゴ・デッラ・ヴァッレは今後の活動について、「この後、何人かの学生にはトッズ本社での体験をしてもらう予定です。また将来的には、アメリカやアジアなどの他の学校とこのようなコラボレーションを行うかもしれません」と語る。そして、「学生たちが製作した素晴らしい作品には驚いています。彼らの作品が多くの目に触れ、そして彼らにスポンサーがつくことを願っています」と若いクリエーターたちに対する業界全体への支援も呼びかけていた。

 

■「トッズ・レガシー」特設サイト

 

取材・文:田中美貴