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2021 26 Jun

「ビューティフルピープル」2022スプリングコレクションを発表 さらに進化したダブルエンド

 

 

 熊切秀典が手掛ける「ビューティフルピープル(beautiful people)」が2022年6月25日東京・南青山「スパラルホール」の会場で、2022スプリングコレクションのフィジカルのランウェイショーを開催した。

 

 今回は、これまでに見せてきたブランド独自のものづくりの考え方である「Side-C(サイドシー)」(普段は洋服の内部に隠れていて意識することがない空間に注目することで生まれた新しい仕立ての考え方と型紙設計のアイデア)や洋服の上下を入れ替えても着用できるという「ダブルエンド(double-end)」をさらに発展させた。


 上下、左右、前後など様々な角度での着用ができる、多くの表情を持ったアイテムを発表。ランウェイの途中でモデルが服の上下を入れ替える演出で、スタンドカラーのシングルライダースがダブルライダースに変化する等、同じアイテムが変わっていく様子を実演した。

 ヘムとウエストが入れ替わるスカートは、タイトにウエストマークしてドレスアップして食事をして、帰りはダブルエンドを入れ替えてゴムのルーズなウエストでゆったりとした気分で家に帰れるという実用性も実現。アイテムそのものの美しさを保つために、コンシールファスナーにする等ディテールにもこだわった。ブラントとしてメンズの需要が伸びているためメンズのルックも多く登場したが、基本的にはメンズ・ウィメンズの明確な垣根は設けず、性別に関わらずどのアイテムでも楽しめるようにすべてのアイテムで幅広いサイズ展開をしていくという。

 また、今シーズンは「コンバース(CONVERSE)」とコラボレーションしたGORE-TEXの晴雨兼用スニーカーと「ワコールメン(WACOAL MEN)」と共同開発した男女共用可能なワンサイズのインナーウェアを発表した。

 

  東京の多くのデザイナーは春夏や秋冬コレクションでショーを開催し、プレコレクションにあたるスプリングコレクションをランウェイで発表するのは異例。このことについて、「先シーズン東京でランウェイショーを開催したことでたくさんの人に喜んでもらえたので、またショーをやろうと思った」と熊切デザイナーは話す。秋冬ではパリでショーを開催することを目指しており、さらに多様性を持ち合わせたコレクションを作っているのだという。

 また、熊切デザイナーは「ビューティフルピープル」が「サイドシー」や「ダブルエンド」を推し進める理由の一つとして「自分たちができる一番誠実なSDGs(エズ・ディー・ジーズ)」と語った。洋服を作る過程で、裁断するときにどうしても無駄なテキスタイルがでてしまう。だからパターンを発展させ、生地の方向を気にせず使えるようにして無駄を減らしているのだ。ユニークかつ誠実にファッションに向き合う「ビューティフルピープル」の進化は止まらない。

「ビューティフルピープル」公式サイト

 

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