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「セリーヌ」2021ウィンター ウィメンズコレクション発表 パリ郊外の城を舞台に若々しいルックを披露
「セリーヌ(CELINE)」が4月14日14:00(仏現地時間)、2021 ウィンターウィメンズコレクション「PARADE」を発表した。Fairy Tale (おとぎ話)と表現される今作は、パリ郊外のヴォー=ル=ヴィコント城の庭園にて3月に撮影され、泉の中で奏でられるハープの演奏に始まり、アンドレ・ルノートルのフレンチ・バロック様式の庭園をランウェイとしてモデルたちが歩くという幻想的な仕上がり。その中に庭園の彫刻のアップや、涙を流したモデルの表情などが印象的に差し込まれるのは、メンズのウインターコレクション「TEEN KNIGHT POEM」の雰囲気にもつながる。
競技場のトラックで撮影され、アスリートシルエットに溢れた前シーズンのMONACOコレクションとは、映像の印象は異なるものの、コレクション自体はその流れを引き継ぐような全体的に若々しい雰囲気。今シーズンはテイストの違うアイテムのレイヤードによるミックス&マッチが強調される。それは90代風のグラフィカルスタイルだったり、プレッピー ブルジョワジーテイストだったり、英国カントリーサイドスタイルだったり、またはグランジやクチュールだったり。
アウターはマニッシュなものが多く、ツイードやグレンチェックなど紳士服に使われる生地を使って肩を強調したジャケットやトレンチなど正統派メンズスタイル、または軍服風ジャケットやカムフラージュ柄ダウン、ミニ丈のPコートなどのミリタリーテイスト、スタジャンやボンバー、シアリング、オイルコートなどスポーティやアウトドアテイストなど。一方、インナーはワンショルダーやマイクロミニなど肌見せディテールのあるセンシュアルなアイテム、またはボウタイシャツやパフスリーブシャツなどのボントンスタイルなどフェミニンな要素が。そしてそこにパーカやGジャンを重ねることで若々しい雰囲気を前面に出している。
ボトムで目を引くのはハイウエストで洗いがかかり、時にはブロークンなデニムパンツやデニムスカートやレザーレギンスなどのカジュアルなアイテムから、スパンコールやフラワーモチーフ、プリーツ使いのドレスなどのロマンティックなテイストまで。終盤ではゴージャスなスパンコールのパニエスカートやメタリックシルバーのプリーツスカートなどのクチュールテイストも登場する。小物類では新作バッグ「TABOU(タブゥ)」と「ROMY (ロミー)」が登場し、乗馬風ブーツや厚底スニーカーが印象的だ。
フィナーレではモデルのサラ・グレース・ウォラーシュテットが丘に佇み、野生の鹿と共に城を見下ろす。そして彼女が流した一粒の光る涙が着火の合図となって、城の上に打ち上げ花火が上がる・・・まるで過酷な現状、そしてその先にある明るい未来を願うかのように。
文:田中美貴