アパレルウェブ メゾンニュース

2022 20 Jun

「ヒロコ コシノ」が2022秋冬クチュールコレクションを発表 日本のライフスタイルに寄り添うアーティスティックなコレクション

 


 「ヒロコ コシノ(HIROKO KOSHINO)」が2022年6月17日、東京・原宿の会場で2022秋冬クチュールコレクションをランウェイショー形式で発表した。ブランドとしては2年ぶりの開催となるランウェイショー。コロナ禍で抑圧されていたエネルギーを開放するかのような、アーティスティックで心浮き立つ華やかなコレクションを披露した。

 「クチュールコレクションは、プレタポルテにインスピレーションを与える力がなくてはならない」というコシノヒロコデザイナーの言葉が表すように、創作欲を掻き立てるような構築的なシルエット、厳選された上質かつ繊細な素材、遊び心のあるスタイリングでブランドのエレガンスを見せつけた。

 

 ハウンドトゥースのようにも見えるジオメトリックパターンの鮮やかなカラーのジャケットは、ボタンの開閉で襟の形がアレンジできるようになっている。ラムナッパレザーのタイトスカートとのスタイリングは、冒険的ながらも上品さを失わない。ラビリンスをインスピレーションにしたジャカードのドレスはゴールドの糸や装飾の煌めきでひときわ存在感を放っていた。同じゴールドをあしらったタイツとシューズ、同素材のクラッチバッグなど全身コーディネートで楽しめるように小物までこだわった。また、贅沢な生地をたっぷりと使ったドレスは、立ち止まっているときは一見シンプルなワンピースに見えるのだが、歩き出すと計算されたタックによって生地が広がり、女性ならではのエレガントなシルエットを描き出した。

 

 そして今回最も印象的だったのは、コシノデザイナー自身が描いた絵画をプリントしたドレスシリーズ。描かれた女性が着ている服には、2022春夏コレクションの生地を描くなど、遊び心も忍ばせた。他のアイテムとは対照的な身体のラインを拾わない、ゆったりとしたシルエットで、まさに「アートを纏う」ような独創的なアイテムとなった。

 ショーの冒頭、ランウェイに登場したコシノデザイナーは、「こういう時代だからこそ新しい挑戦をしたかった。華美ではなくとも日本のライフスタイルに寄り添った本当に必要とされているものを作ることが我々の使命だと思っている。アーティスティックな価値観をこのコレクションから感じていただけたらと思います」とこのコレクションにかけた想いを語った。

>>>このコレクションの画像を見る

「ヒロコ コシノ」公式サイト