繊維ニュース 編集部ブログ

2020 02 Dec

額縁に刺しゅうはいかが?

 

【中国・四国支社】刺しゅう加工の美希刺繍工芸(広島県福山市)は、絵画や表彰状などを飾る額縁に刺しゅうを入れる加工の提案を強める。自由に柄や文字を入れることが可能で、装飾性やオリジナル性の高い額縁ができる。

 同加工は同社の苗代次郎社長が社内に自身の叙勲額を飾っていたのを見て、「額縁を刺しゅうで装飾してみれば面白いのでは」と思ったのが開発のきっかけ。薄い木の板に刺しゅうしそれをプレス機で接着させ樹脂を繰り返し塗布するという、もともとあった加工技術を生かした。

 立体的な装飾が施された額縁は型取りされた石膏製が多い。型の作製で石膏製は時間がかかるが、刺しゅうはそれほど時間がかからない。生産コストは石膏製と比べ34倍高くなるものの、デザインの自由度が高く、好きに文字を入れることもできる。34㍍幅の額縁へも対応できる。

 既に額縁関連のメーカーへ提案しているが、「関心は持たれてもコストの面から敬遠されるケースが多い」(苗代社長)とか。今後も「世界にはない商品で、そのことを理解してもらえるメーカーに採用してもらえたら」と提案を続ける。(佑)