繊維ニュース 編集部ブログ
2025
09
Jul
地域再生
【東京本社】30年ぶりに草津温泉を訪れた。訪日外国人観光客も加わり前にも増して盛況だが、街並みにそれほどの変化はない。むしろ驚いたのはその道程にある吾妻川流域の変貌だ。当時は、紆余(うよ)曲折あった八ッ場ダム建設事業がようやく動きだしたばかりで、まだ養蚕農家が点在するのどかな田舎だった。それらは2020年のダム完成と共に湖底に沈んだのだろう。水面は山の中腹辺りにまで上がり、国道と鉄道は新たに付け替えられた。ただダム周辺は今、主要な観光スポットの一つとしてにぎわっている。移住を余儀なくされた人にとっては複雑な思いだろうが、地域再生という点では結果的にうまくいったケースなのかもしれない。(日)