繊維ニュース 編集部ブログ

2020 22 Apr

アフター・コロナ

 

【東京本社】小松左京の「復活の日」(新装版。ハルキ文庫)を読んだ。かなり前に書かれた小説だが、現在の新型コロナウイルス感染拡大と重なり、妙にリアリティーがあり、怖さを感じた。内容や結末には触れないが、最後まで一気に読んだ。

 新型コロナはさまざまな影響を与え、繊維業界も大きな打撃を受けている。その一つがネクタイ業界だ。通常、ネクタイは3月が需要期だが、新型コロナで動きがなかった。4月は店舗休業のあおりを受け、休業要請が5月に解除されたとしても、クールビズで裏シーズンが半年間続く。

 今回の感染症は世界を変えると言われる。例えば在宅勤務やテレワーク。手探りで始まった感があるが、実際に取り組んでみれば大きな問題はなく、新型コロナ収束後も定着するのではないかとされる。その際、ネクタイを締める人はどれほどいるのか。

 週に数日在宅勤務をしている人に話を聞くと、結構「暇」らしい。多くの人がそう感じているなら、「2人でやっていた仕事が、実は1人でできるのではないか」と経営者ならば思いそう。在宅勤務やテレワークは必ずしも良い面ばかりでない。

 やはり世界は変わっていくだろう。変化した世界でも織機やミシンの音が響いていてほしいと願う。(桃)