繊維ニュース 編集部ブログ
2023
28
Apr
鹿児島紡績を伝える技師館
【大阪本社】日本最古の鹿児島紡績所跡地を訪れた。国内産業革命の原点となった集成館の一画にある。1867年に竣工し30年間、紡績に加え、帆布の製織拠点でもあった。最盛期は200人が働いていた。英国から入る最先端の技術を当時の職工たちは熱意を持って学んだに違いない。今は工場跡地を示す石碑だけだが、すぐそばに当時、英国から来た技術者が滞在した技師館(写真)が現存する。この工場の技術と機械を大阪へ移転したことが後に、関西で紡績業が発展する礎となった。鹿児島湾をはさんで桜島が美しい。150年前と変わらぬ景色に、人の世の移ろいの激しさを思う。 (学)