繊維ニュース 編集部ブログ

2019 02 Oct

水清ければ魚住まず

 【大阪本社】インドネシア・ジャカルタ市内に流れる濁った川を見ていると水面のゴミの量に驚かされる。食品の包装、空き缶、たばこの吸い殻、果実の皮など……水質を測れば、悪いに違いない。

 ところが、注意深く水面を見ているとしばしば大きな魚が背びれをのぞかせることに、もう一度、驚かされてしまう。こんな汚くても、生きていけるとは……。生物のたくましさを思い知る。

 所変わって、日本の加古川(写真)の話。播州織産地の染色・加工会社の関係者によれば、なんと水が奇麗すぎて、瀬戸内海の栄養塩が低下し、イカナゴの不漁や海藻の発育不良を招いているそうだ。

 事態を重く見た県の規制改革推進会議が、今年4月には兵庫県に廃水規制の緩和を提言した。来年3月までに廃水規制条例の改正を目指すという。水清ければ魚住まず――とはまさにこのこと。(学)