繊維ニュース 編集部ブログ
2019
26
Jul
まだ見ぬ加工技術に思い馳せ
【中国・四国支社】加工専門業者が、製品作りで技術をアピールし、加工のブランド化を強めている。最近の取材で、染色業者や撚糸業者から聞いた。「受注が限られている中、技術の提案やアピールに努力しなければ」との声が共通する。
人口減少や消費者の節約志向の高まりで、大手アパレルの量販戦略にも陰りが見える昨今。ジーンズ製造卸などはもちろん、中間工程を担当する中小の加工業者も厳しい経営環境にある。
染色加工の山陽染工(広島県福山市)は、部分的に色の抜け具合を変えることで濃淡を表現する「段落ち抜染」でトートバッグ(写真)や靴などを提案。レーザーなどでも同様の加工はできるが、「段落ち抜染の方が細密な柄を表現でき、生地も傷まない」という。現物を見せてもらったが、模様は細やかな刺しゅうを施したかのような立体感があった。全国津々浦々には、まだまだ思いもよらない優れた技術があるのだろう。(小)