繊維ニュース 編集部ブログ

2024 19 Jan

受注呼び込む理由

 【大阪本社】湖東麻織物産地の糸・生地染め企業、澤染工(滋賀県東近江市)の受注数量は近年、「あふれている」(澤宏一郎社長)。営業活動は基本的に行わないが、独自技術の開発、整経や織布など「次の工程がいかに仕事をしやすいかにこだわってきた」結果だと言う。安い加工料金の仕事は受けない。多くの発注先から「選ばれた」ことで、仕事を「選べる」ようになった。受注を呼び込む背景には同業他社の廃業や倒産による残存者益もある。モノ作り全体にとっては喜ばしいことではないが、澤社長は、設備投資や人材育成に力を入れ、さらなる事業拡大を狙う。ピンチをチャンスと捉えられる前向きさも受注を呼び込む秘訣(ひけつ)かも。(武)