繊維ニュース 編集部ブログ
2019
18
Dec
兵庫県多可町は織物だけじゃない
【大阪本社】兵庫県多可町をご存じだろうか。繊維ニュースとしては、播州綿先染め織物産地の一角をなす町として常日頃から紙面で細かな動きも逃さず報じている。
1980年代後半の播州織生産量のピーク後、生産の海外シフトや需要減で減り続けているとはいえ、今なお、町内には染色業、縫製業が点在し、織布企業は全国の町村の中でも特に多いだろう。町職員の話では「人口2万人のうち3分の1は繊維関係者でないか」とのこと。
この織物の町、多可町だが、実は全国的に有名なものが他にもある。その一つが山田錦。知らない日本酒ファンはいないだろう。多可町が発祥である。次も誰もが知る国民の休日、敬老の日。初めて提唱したのが多可町だった。杉原川の清流で作る手漉(す)きの和紙、杉原紙も古代から生産されていた。
まだある。近年、全国的に名をとどろかしたのが、多可町の特産品販売所「マイスター工房八千代」が売り出した地元の食材を使った太巻き寿司(写真)だ。過去には1日1500~2千本、節分の日には1万5千本以上が売れたという。イオンもその商品を似せた巻きずしを売り出したといわれるほど売れたそうだ。
取材で初めて訪れた時には何もない山間の町という印象しかなかったが、最近は行くたびに驚きの発見をしている。(学)