繊維ニュース 編集部ブログ
2022
31
Oct
竹とんぼの奥深さ
【大阪本社】今月、糸染めの播磨染工(兵庫県多可町)を取材した折、同社の数原稔会長(83)から手製の竹とんぼを手渡された。足早に立ち去る会長を呼び止め、立ち話であれこれ尋ねると、休日の趣味で20年以上、竹とんぼを作り続けていると言う。金属の重りを羽に埋め込むことで回転力が持続し、精巧な作りのものは高さ50㍍近くまで飛ぶこと、重りの埋め込みや羽の研磨の技術が難しいこと…。話を聞くほどに竹とんぼの奥深さや魅力に引き込まれた。ファッションもまたそうなのでは。作り手の思いやこだわりを伝えるストーリーが人を引き付ける。机の上の竹とんぼを見ながら改めてそう思う。(学)