繊維ニュース 編集部ブログ
2020
23
Jan
若い裁断師
【中国・四国支社】トントン。トントン。竹の棒が小気味良いリズムを刻む。延反機に布を伸ばしていく作業だ。レディースパンツ製造卸のボレー(広島県福山市)で、20代の若い裁断師が活躍している。
40、50代でも人材確保が難しい中、井野敏明常務が偶然にも知人から子息の紹介を受け、採用した。ゼロから指導を始めたが、センスが良く「今では一人前の裁断師になっている」と言う。布を伸ばす作業は一見簡単にやっているように見えるが、きつくもなく緩くもなくちょうど良い感じに生地を遊ばせ、かつ延反機のスピードに合わせて伸ばしており、熟練が必要な技だと言う。
井野常務は、人口減少などで繊維やアパレル業界の環境が厳しくなる現在、産地全体で事業を継続する方法を考える必要があると話す。若い裁断師の件も、普段からの親身なコミュニケーションの賜物ではないか。何だかほっこりとさせられた。 (小)