桑原 ゆう
弦楽三重奏のための《三つの聲》
明後日20日(火)に日本初演される弦楽三重奏のための《三つの聲》はこんなスコアです。


《三つの聲》は、今夏のロワイヨモン作曲講習会 “Voix nouvelles” (フランス) のために作曲し、その最終プレゼンテーションでTalea Ensembleの素晴らしいトリオにより初演されました。
日本の音楽に特有の、息のつめひらきによる呼吸のダイナミズム。辺りの空気を一瞬凝結させ、そしてくつろげる。演奏するひとだけでなく、聴くひとも共にそれを呼吸する。そのような、エネルギーの緊張と弛緩から成る音楽を、西洋音楽らしい室内楽の編成で表現しようと試みました。この曲を書いて、私がこの数年おぼろげながら追い求めていたのは「意味で音楽を書くのではなく、音そのもののエネルギーで音楽を書けないか」という問いだったのだと気付くことができました。とても気に入っている大事な作品です。
スコアを見ていただいてわかる通り、いわゆる普通の奏法でない部分がほとんどで演奏にとても苦労させてしまっていますが、2回目のリハーサルで少し慣れ、また明日リハーサルがあります。
年に一度、こうしてふたりの師匠と兄弟子妹弟子の皆さんの作品に並ばせていただいてコンサートができるのは大きな喜びです。年の瀬でお忙しいとは思いますが、ぜひ聴いていただきたいです。チケットのご用命、まだまだお待ちしておりますのでぜひお声かけください!よろしくお願いいたします。
*
New Chamber Music 2016 vol.3
於 杉並公会堂小ホール (東京都杉並区上荻1-23-15)
開場 18:30 / 開演 19:00 / 終演予定 21:00
チケット料金 / ¥3,000 (全席自由)
演奏 / 宮川奈々 (ヴァイオリン)、山縣郁音 (ヴィオラ)、松本亜優 (チェロ)
お問い合わせ / 2014ncm@gmail.com、090-5307-7293 (代表: 赤石)
