船橋 芳信

2020 21 Jan

2020年を迎え新たな気持に!

2020年を迎え新たな気持に、向かい合っている。

物作りとの葛藤の中で、何が売れるのか、市場は何を求めているのか、
何故こんな事に疑問を待つのか、色んな雑念が消えては生まれ、生まれては消えて行く。
超大量生産時代の真っ只中で、人類がこれ迄受けた事が無い大量消費、大量生産大量放棄物に囲まれて
自然を破壊しては、環境を壊し気候メカニズムに変動を起こし、それらの総てが人類の個々人に、問題を提起し始めている。
異常気象上昇に依る自然発火に依る世界中での火災発生、北極海、南極に於ける温暖化に依る永久凍土の
解氷、海水温の上昇に依る魚類の生態変化、世界中で起こる異常気象に依る、台風、ハリケーンの巨大化、竜巻、
地震、津波、土砂崩れと、地球は泣き崩れ始めている。
 個人の社会的問題として捉えて行くとファッション業界は、無天候に影響を受け、寒い筈の冬は暖冬に、
このまま行くと春先には寒さがぶり返して、店頭での商品の売上が、気温の不確かさのため上手く嚙み合って行かなくなっている。
而も大型台風による、自然災害は、家屋を壊し被災した多くの人々が、嘆き苦しんでいる様子は、
商品購買の意欲とは繋がってゆく筈が無い。
バイヤーの動きも、購買意欲には事欠き、この先の店頭での不安に、ブレーキがかかっている。
市場は価格破壊競争の真っ只中、資本主義の極端化したカピタリズムの前には、
質とサービスの提供にしか、弱小アトリエに遺された道は無い。
 高級化を何処迄も突き進んでゆくしか無いのだが、実は、服作りの動機の根本が其処には光り輝いている。
売れる為に、時間がないから、納期が迫っているから、そんなこんなの理由漬けで歩んでいた動機が、
通用しない状況になってしまった。
 徹底的に好きな服を選び、好きな生地を買い、値段に囚われず、
時間を無視して物作りに励むいい環境が、出現したのである。
所詮安物は安物でしか無く、人は選んだ服を着て、其の人となりを主張するのである。
 我々の作る服からの視点で云えば、我々の服は人を選ぶ。
感覚とセンスを持って、自己の意志を表現する人にのみ、我々は服を提供する。
作り込んで創り込んで、仕事を隠し、シンプルさを表現したい。