芹澤 絵美

2019 05 Nov

600歳の島

先日、日本から遊びに来てくれた友人と、
すぐお隣の島「ランギトト島」に遊びに行ってきました。

ランギトト島は、オークランドシティからもよく見えるアイコニックな島で、
ワイヘキ島からもその姿を西の海に見ることが出来ます。

隣と言っても、ワイヘキ島から直接船が出ているわけではありません。
一度オークランドシティに行ってから改めてランギトト島行きの船に乗船しなければならず、その際にランギトト島の横を通過していくので、遠回りじゃん!という思いがあり、
これまで行く決意がなかなか固まりませんでした。

けれど、デイライト・セービング(サマータイム)が始まり、
日本行きの飛行機を利用するには本土に前泊する必要があるということで、
友人とシティのホテルに泊まることになり、
これはチャンス!とランギトト島に上陸することと相成りました。

ランギトト島のガイドさんから聞いて初めて知ったこと。

・島年齢600歳と超ヤングな島

・最初は本土の人々のホリデーバッチ(休暇小屋)が集まる島

ということです。

600年というと長い年月のようにも感じますが、
ランギトト島の周囲にある他の島は20万年以上前からあることを考えれば、
超ヤングということになります。

すぐ隣にはまさに20万年前に誕生したモトタプ島があります。

↓奥に見える島がモトタプ島。手前がランギトト島。

やく600年前、
モトタプ島の隣で海底火山噴火が起こり、
海上に隆起しモトタプ島にくっつくように島になったとのこと。

実際に島に上陸すると、
その島がとても若いことを実感することができます。

溶岩が固まって出来た土台に地衣類が生え、
波で押し寄せられた木屑や海藻から作られたわずかな土の上に鳥や風が植物の種を運んで来て草木が生え、それが枯れて土を作り、またその上に種が落ち、、、
というのを繰り返して土壌というものが作られていきます。

ランギトト島にも樹齢100年を超えるポフトゥカワの木などがありますが、
島の半分以上が溶岩が剥き出しで、鬱蒼としたジャングルみたいなのものは無く、
なんとなく開けている感じがして、
ワイヘキ島やモトタプ島のような姿になるのにはまだまだ時間がかかることが分かります。

この島は、1920年代にオークランドシティの人々が別荘として小さな家を建て始め、
一時期はホリデーアイランドとして活用されていたようです。
現在ではその当時の子孫の人々やトラストなどによって島の家や環境を保全しているそうです。

どことなく、沖縄の離島のような雰囲気もじゃっかんあります。

ちなみに、隣の大先輩モトタプ島は個人所有の島で、
ある家族がファームを経営し、同時に島を保全しています。
時には学校のキャンプに島を開放し地域貢献しているとのことです。
公共のフェリーは月に一本だけですが、
週に何本かフェリーの出るランギトト島から歩いて渡れるので、
釣りやダイビングに訪れる人もいるようです。

ニュージーランドは、個人所有の土地であっても、
海岸線はマオリのものという決まりがあるそうで、
(=誰も所有出来ない)
基本的にはどの島でも海岸線であれば足を踏み入れることが出来ます。

600歳の島、ランギトト島。
若い島を見る、という視点で見ると面白い島だと思います。

日本にも50歳前後の超ヤングな西之島がありますね。
この島もランギトト島のように成長していくのを未来の日本人が見ていくのでしょうね。


↓オークランドシティが目の前。とっても近い600歳。