芹澤 絵美
バレル・テイスティング
現在樽発酵中の2018年ヴィンテージのテイスティングを行いました。
樽からワインを抽出して試飲する「バレル・テイスティング」
テレビでは見たことがあるけれど実は私は初体験です。
自分達が育てたブドウの出来を知る上でとても勉強になります。
毎年タイミングが悪くこのバレル・テイスティングに参加出来ていなかったのですが、
今年ようやく体験することができました。
2018年は厳しい年でした。
2月までは晴天が続き、「いい夏だなぁ」と思ったら、
一番大事な3月に1年分くらいの雨が降り、
ほとんどのブドウが次々病気にかかっていきました。
私のバレル・テイスティングデビューはこのバッド・ヴィンテージからです。
8品種ほど試飲しましたが、
ボトリングされたワインよりも更に香りが強く、
ナッツやクラッカー、ダークチェリー、チョコレートなど、
さまざまなテイストがはっきり強く感じられます。
これから更に樽熟成させていくこの段階でのワインと、
私たちが普段飲んでいるワインを直結させてイメージするのはまだ私には難しいのですが、自分の直感&生理的に、「しっかり飲み込んで喉ごしを確かめたい」と思うワインと「口の中に含むだけで吐き出す」ワインとに分かれていたのは確かです。
この「しっかり飲み込んで喉ごしを確かめたい」というワインが、
ボトリングされる頃に良い(私好みの)ワインとなるのか、
それを確かめるには、樽熟成完了後にまた試飲する必要があります。
ワインは最終的には好みなので、
バレル・テイスティングの段階でも好みが分かれると思います。
ワイン・メーカーはうちのワイナリーのブランドイメージを表現するワインを作らなければならないし、私はただただ自分の好みかそうでないか、が判断基準です。
脳の中に閃光が走るような感動する液体は無かったけれど、
いくつか好みのものがあった。
それが今回のバレル・テイスティングでの私の感想でした。
今後は毎年バレル・テイスティングさせてもらい、
ブドウの出来とワインの出来とを関連づけられればいいなと思います。
2019年ヴィンテージに向けての作業がもうすでに始まっています。
天候に恵まれることを祈り、日々精進していきたいです。