芹澤 絵美

2020 28 Apr

ロックダウンが解除されました


<写真はスウェーデン市内の様子。SankeiBizより拝借>

 

ニュージーランドは今日からロックダウンが解除となり、
対面サービス以外のほぼすべての業務が再開されました。

なんとなく、少しずつ鎖から解放されていくような、
心理的な安心感が出始めました。

現在のニュージーランド国内におけるCOVID-19の状況は下記の通り。
感染者数:1469人
回復者:1180人
入院中:7人
死者:19人

これから2週間のアラート3は、感染第2波の様子を見る為にあると思っています。

感染第1波の抑制に成功すると第2波が大波になるという見方もあるので、
それによっては、またアラート4のロックダウンに戻る可能性があります。

私はウィルスの毒性の強さを示すのは最終的には数字だと思っています。
COVID-19は、インフルエンザの感染者数、死者数と比べられることが多く、
それに対し、インフルエンザはワクチンや薬があるではないか、
COVID-19は新しいウィルスであり、変異の可能性も考慮して慎重になる必要がある、
という意見を耳にします。

ここで、この「数字」が重要になってくるのですが、

ワクチンと薬があるにも関わらず、
感染者数、死者数共に、インフルエンザのほうが遥かに多いのです。
いっぽう、ワクチンや薬が無いのにそれを超えた流行に至っていないのがCOVID-19です。
イタリアやアメリカなど、死者数が突出して大きい国がありますが、
(医療制度の違い、初動対応、その他BCG接種履歴、挨拶文化の違い等、要因は様々)
世界各国の平均的には、インフルエンザの被害を下回る結果となっています。

この数字が、COVID-19のウィルスの実力を示しているのは明らかです。

単純に数字に従うならば、
高齢者や基礎疾患のある方を守る為に感染拡大を阻止するべきは、
毎年もっと多くの死者を出すインフルエンザです。
COVID-19の死因は肺炎です。
肺炎は、何が原因であるにせよ高齢者や基礎疾患のある方の死亡率が高いです。
インフルエンザによる死因もほぼ肺炎です。そして児童の罹患率が高い。
なぜそのインフルエンザにロックダウンや緊急事態宣言が出ないのか?

インフルエンザにはワクチンと薬があるから、とここで話がどうどう巡りするのですが、
ワクチンと薬があっても毎年3000人〜1万人の死者を出すインフルエンザでも出されない緊急事態宣言を、なぜCOVID-19に出すのか?ということです。

これは、単に法律の建付の問題だと私は思っています。
COVID-19が指定感染症であるということが法律で決まっている以上、
どんなに被害数がインフルエンザより少なくても取り扱いが変えられないのでは?と。
感染者数1000万人のインフルエンザで医療崩壊が起きず、
感染者数1万人のCOVID-19で医療崩壊が起きるのは、
このウィルスが指定感染症である、という「制度」の問題だと思います。
指定感染症からCOVID-19を外せば、医療ソースの過剰使用も減り、
医療崩壊など程遠い話となります。

COVID-19を指定感染症に指定してしまった原因は、
WHOの意見がコロコロ変わったことに起因していると思います。

私はこのCOVID-19の各国死者数を見て、
少なくとも、私が住むニュージーランドや日本では、
個々の防疫対策を指導するだけで、経済にとどめを刺す鎖国やロックダウン、
自粛要請の必要は無いと終始一貫思っていました。

コレラやペスト、エボラ熱などの致死率60%超えのウィルスには効果的でも、
無症状や軽症が8割のCOVID-19は、感染先を失うまでダラダラと広がり続けるので、
ロックダウンや自粛要請は対費用効果が低いように思います。

ただ、SNSが発達しているせいか、
様々な情報を持った国民の声が大きく、更にそれを煽るようなマスコミ報道があり、
国として動かざるを得なかったのかも知れません。

そんななか、そんな世界的世論に負けずに、
ロックダウンや自粛要請をせずに独自の防疫を行っているのがスウェーデンです。
死者は1500人を超えていますが、欧州の中ではかなり低く、
その他ウィルス性の病死に比べても突出して多いわけではありません。

このスウェーデンの政策はCOVID-19騒動が始まって以来の私の理想です。
国が、衛生面、防疫面での指導を国民に徹底的に指導し、
ロックダウンや自粛要請は行わず集団免疫獲得を目指す。

この経済を止めずに集団免疫獲得を目指す政策は、
英国のボリス・ジョンソン首相が最初に言い出したことですが、
彼の言い方は衝撃的すぎ&時期尚早すぎで批判を浴びました。

けれど、彼の言っていたことは正しかった、と私は思っています。
結局は、個々の衛生&防疫強化の勧告以外は何もしないほうが良かった、と。

現在、欧州でロックダウン解除が順次始まっていますが、
これは新規感染者数が劇的に減ったというわけでありません。
ロックダウンが生み出した貧困による自殺者推計とバランスを取る為だと思います。

どの国も、悩みに悩んで出した結論が現在の政策だとは思いますが、
今後の参考の為にも、
ロックダウンや自粛要請をした国としなかった国の、
経済的影響と死者数の比較研究をしてほしいと思います。

あと、PCR検査と抗体検査について。
もしも国民全員に検査をするならば、抗体検査を実施して欲しいです。
(ニュージーランドは抗体検査の大規模実施はしないという指針)

PCR検査は、無症状の人に試しても偽陰性が出る可能性が高いだけでなく、
陰性と判断されたウィルス保持者が安心してウィルスをばらまく危険を生みます。
そして、ニュージーランドの人口ならば数ヶ月で検査診断出来ると思いますが、
日本の人口では検査結果が全て出るまでに現状では数年かかると思います。

抗体検査も偽陰性、擬陽性の可能性がありますが、数分で結果が出て、
無症状の人にこそ試せるので効率が良いかと思います。
抗体が無ければ引き続き感染リスクに気を引き締め、
抗体が有ればしばらくは感染しませんし、人に感染させるリスクもありません。

このCOVID-19の抗体について、
体内でどの程度の期間(数ヶ月なのか数年なのか、一生なのか)保持し続けられるのか、
そのあたりの研究も進んでいると思います。

なにはともあれ、
世界規模の集団ヒステリー、数字に見合っていない政策などが、
早く収束してくれることを願います。

ウィルスが終息しなくても政治的に収束させて欲しいです。
なんなら5月中をメドに。